新型コロナ感染拡大でゲームの需要急増 “安全で低コストのエンタメ”として

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行(パンデミック)により、ゲームをプレイする人々が増加していることが、複数のデータにより改めて明らかになった。

モバイルゲーム・コンソールゲーム共に好調

 『GamesIndustry.biz』は「世界中で外出禁止や自粛となっており、モバイルゲームの平日の1日あたりのユーザー数(DAU)が急上昇した」と報じている。週末の数値も上昇したが、それほど差はないようだ(参考:https://www.gamesindustry.biz/articles/2020-03-31-pandemic-has-led-to-spikes-in-mobile-gaming-says-ironsource)。

 『ironSource』のデータによると、アメリカでは、平日のDAUは13%増加、イタリアでは、15%増加した。中国のDAUは、春節(旧正月)と重なり実に65%上昇し、その後も高止まり。パンデミックでモバイルゲームの利用が短期的に押し上げられているという。

 他にも、多くの企業が同様の傾向をつかんでいる。 Steamは最近、同時オンラインユーザー数の記録を幾度となく更新しているし、通信大手のVirginは、オンラインゲームがピークの時間帯で75%増加していると報告している。

 ヨーロッパの最新の販売データによると、小売とコンソールゲームも短期間で急上昇しているという。

家籠もりや失業が業績に影響

 『CNBC』は「新型コロナウイルスにより多くの人々が家に籠もり、ビデオゲームの売上が急上昇」という見出しで報じている(参考:https://www.cnbc.com/2020/04/03/video-games-sales-soar-as-coronavirus-leaves-millions-trapped-at-home.html)。

 記事内では、Ampere Analysisのゲームリサーチ・ディレクターであるピアス・ハーディングロール氏が「この予想以上の業績には、失業も影響している」との見方を示している。感染拡大により仕事を奪われた人々も、ゲームに癒しを求めるケースが増えているということだろう。

 任天堂のコミュニケーションゲーム『どうぶつの森シリーズ』の最新作『あつまれ どうぶつの森』は、日本でパッケージ版が発売3日間で188万本を売り上げ、Nintendo Switch向けソフトとしては歴代1位の初週販売本数を記録。3月10日にリリースされたActivision BlizzardのFPSタイトル『Call of Duty:Warzone』は、10日間で3000万人がプレイした。

 Global Xのリサーチアナリスト、アンドリュー・リトル氏は「データを見ると、1カ月で消費者のビデオゲーム支出が劇的に増えました。3月中旬には、前年の同時期と比べて65%増加しました」と述べる。

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