考察系YouTuberキリンはなぜ人気? チャンネル登録120万人突破の秘密を“考察”
今年1月に『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)に出演して話題になったNaokiman Show、あるいはMr.都市伝説・関暁夫のチャンネル開設など、近頃YouTube界では“都市伝説系YouTuber”の人気が高まっている。
そんななか、チャンネル登録者数が激増しているのが、同じく都市伝説を扱う“考察系YouTuber”キリンだ。現在のチャンネル登録者は120万人を突破し、最近ではYouTubeの急上昇に動画が載ることも少なくない。キリンの動画はなぜ人気を集めているのだろうか。今回はその人気の理由を考察してみたい。
真面目な解説とおふざけの絶妙なバランス
キリンが扱う動画の題材はほとんどが都市伝説や過去に起きた事件など、アングラな知的好奇心をくすぐるものばかりだ。実はチャンネル開設当初は同じYouTubeで活躍するYouTuberたちを扱った動画をメインに制作していたのだが、2018年頃から路線変更をし現在のアングラネタを中心とした解説動画を主に投稿するようになった。その頃から動画視聴数、登録者数ともに増加し始め、現在のスタイルが確立されていったようだ。
キリンの動画の魅力はこの、“視聴者の仄暗い知的好奇心を満たすテーマ”を抜きにして語ることはできない。人気動画の中にもショッキングな内容が含まれるものがあるため、心臓の弱い方の動画視聴は慎重に行なっていただきたい。例えば人気動画の「日本のテレビ番組史上最悪の出来事」や「あまりに危険すぎて上映禁止になった映画8選」などはキリンの動画のなかでも特に人気だが、どちらもサムネイルに“閲覧注意”の文字が入るなど、見る人を選ぶ内容となっている。
しかし、時に重く受け止めすぎてしまうようなテーマを扱っていながらもここまでの人気を博することができるのは、そこに彼ならではの魅力があるからだ。
その一つとして挙げられるのが、真面目な解説とおふざけが入り混じった軽妙な語り口だ。動画の題材が重い場合、ずっと真面目なテンションで語られると、視聴者にかかるストレスも大きくなり、継続的に視聴しようという気分は削がれるだろう。
しかしキリンの動画では肝心の解説に加えて“キリン節”とでもいうべきか、おふざけ全開の下ネタが多く挟まれている。この、つい「なんだそれ」とツッコミを入れたくなるような下ネタが視聴者の肩の力を抜き、あくまでエンタメとして動画を視聴する手助けとなっている。
前述した「あまりに危険すぎて上映禁止になった映画8選」では、モザイク付きでショッキングな画像も展開されるが、映画の内容を解説し、視聴者の恐怖が高まったところでいつもの“キリン節”が炸裂させ、うまく気持ちを落ち着かせている。また、動画の締めでは映画に関する豆知識を披露し明るいBGMを流すなど、必要以上に視聴者の不安を煽らず、後味よく動画を終えようとする工夫が見られるのだ。
“怖くない”考察系動画も
キリンといえば前述したようなアングラな内容を扱った動画、という印象が強いが、実は怖いだけではない考察系動画も多く投稿している。
例えば現在キリンの動画で最も再生されている「超巨大海洋生物たちの真相」という動画では、動画の序盤からキリンが真面目な語り口で海に潜む巨大海洋生物の謎を解き明かしていく。幼い頃感じたような純粋な知的好奇心を満たしてくれるこの動画は人気が高く、現在の再生回数は370万回を越えている。中には見る人のロマンを裏切るような内容も含まれるのだが、そこにもきちんと納得できる理由が用意されていて後味は悪くない。
こういった空いた時間でサクッと知識を吸収できる便利さも相まって、キリンチャンネルの人気第一位の動画となっているのかもしれない。