『オオカミちゃんには騙されない』は学園祭のような青春感を AbemaTV恋リア制作責任者鼎談【後編】

AbemaTV恋リア制作責任者鼎談【後編】

「出演している高校生たちにも驚きも与えたい」

ーーどのシリーズも恋愛“リアリティーショー”とあって、毎回ドラマが生まれるとは限りません。ドラマを生むために工夫していることはありますか?

若村菜摘(以下、若村):だいぶ苦労することもあります。出演している本人たちに行動を任せている分、状況が全く動かない状態が続くこともあるんですよ。オーディションのときに、どんなにやる気があっても、やっぱり一般の高校生なので、実際にカメラの前で恋愛してくださいってなると、どうしても気構えてしまってなかなか動けないことって、結構あるんですよね。とはいえ、彼らには自発的に恋愛してほしいので、全員が一度は二人でしっかりと話し合えるシステムや、トランプに運命を預けて2ショットを決定する仕組みを設けたりしています。そのあたりは、シリーズ毎にちょっとずつ変化を加えて、ドラマが生まれるように工夫していますね。あとは、番組MCの方々が、停滞気味のシーンにもしっかりとツッコミを入れてくださったりと、スタジオで抑揚をつけてくださいます。スタジオMCの皆さんがいてくださることで、安心感がありますね。

若村菜摘氏

翁長朝弥(以下、翁長):『今日好き』は、「デートをする」のようなお題を出すなどいろいろ試行錯誤したのですが、視聴者からは好評を得られませんでした。そのときに、何が良くなかったのかを一般の高校生たちにヒアリングしたら、「やらされてる感があって嫌だ」などといった意見をいただいて。じゃあ、1回原点回帰しようということになりました。最初は、初期の設定通り1泊2日で何が起こるのかをただ見ようという話になったんです。ただ、日本でやっても今まで通りで、いまいちテンションが上がらないよなと。そこで海外だったら、逃げ場がなくてお互いに助け合うしかない状況だし、気持ちも盛り上がって、自然に恋愛ができるんじゃないかと考えたんです。ハワイ編以降は、何も手を加えずにただ2泊3日の旅をさせるという、いまの形になりました。行く前に僕らが決めているのは、大まかなスケジュールだけです。サプライズも、継続メンバーに関してで、あとから誰が加わるかくらいしか用意していません。

翁長朝弥氏

ーーグアム編の継続メンバーで、そうたくんが来たときはびっくりしました。さとしくんだと思っていたので。

翁長:あれは、視聴者が見たいものだけでなく、出演している高校生たちにも驚きも与えたい、そしてメンバー同士の関係性も新しく築きたいという思いがあって、あえてあの順番とタイミングで入れさせていただきました。

ーーあとから参加する継続メンバーは、合流するまでの間は何をしてるのですか?

翁長:別行動をしています。行きの飛行機も別々なので、あとから加わる継続メンバーも今回誰がいるのか、いまどんな状況なのかを全く知らないんですよ。

ーー継続メンバーは弾を重ねるごとにすごく成長していきますよね。

翁長:そうなんですよ。顔つきが変わってくるんですよね。それぞれが自分がどう見られるかを自覚しているんじゃないかと。高校生の成長ってすごいなって実感しています。

ーー毎回、泊まるところもすごく豪華ですよね。

翁長:若村も言ってましたが、どうしても何も起こらないことってあるんですよ。だから、画力で魅せることも大事だなと考えています(笑)。改変前は国内だったのですが、いまは海外に行かないと恋愛模様が展開しないのではないかと不安でしょうがないです(笑)。

ーー(笑)。

杉山未帆(以下、杉山):『オオカミ』シリーズは、太陽LINEと月LINEがキモのひとつになっているのかなと思います。太陽LINEはメンバー全員に公開という形で気になる人を誘うことができて、指名された人以外もそのデートに参加できるというルールなので、このLINEの裏側で起こっている駆け引きやLINEが届いた瞬間の一人ひとりの表情なども映し出されます。そういったルールの中で恋愛模様が発展していくところに、ドラマがあるのかなと。あとは前作『オオカミちゃんには騙されない』で、ミッチェル和馬くんが海外の大学に行くため期限付きの参加だったことなど、そういった現実や事実もすべて盛り込んで、よりドラマチックな展開が生まれていますね。

杉山未帆氏

ーー『オオカミ』シリーズは撮影期間が3カ月と長期に渡っているからこそ恋愛模様も大きく変化していきますよね。第一印象だけで終わらないというか、次々に新たな展開が起こる印象です。

杉山:3か月間、視聴者を飽きさせないために、ただデートをするだけではなく、出演メンバーの気持ちが動いていくように、アトリエ作業などの仕掛けは用意しています。全員で同じゴールを目指して、そこまで一致団結して走りきるという、学園祭のような青春感が生まれるように意識していますね。

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