『オオカミちゃんには騙されない』は学園祭のような青春感を AbemaTV恋リア制作責任者鼎談【後編】

AbemaTV恋リア制作責任者鼎談【後編】

「『あのとき見てたよね』と言われる番組になりたい」

ーー前作の『オオカミちゃんには騙されない』から、男女逆転して“オオカミ”が女性になった理由を教えてください。

杉山:シリーズを重ねてきたので、そろそろ新しい楽しみ方を提供したいなと。

ーー変えてみて、反響はどうでしたか?

杉山:女性が“オオカミ”側に回ったときに、実際の社会と辻褄が合うように年齢層の幅を広げたので、視聴者の年齢層の幅も広がりました。また男性の視聴者層も以前より厚くなったように感じます。

ーー男性ファンが増えたのは、少し意外でした。

翁長:“オオカミちゃん”になって、圧倒的に見やすくなりましたよね。

杉山:男性は騙されたいっていう願望があるんですか?

翁長:違いますよ。どっちかというと、騙してるやつだと思われたくないんですよ。「誰、騙す?」っていうよりは、「誰に騙されたい?」のほうが会話しやすいんだと思います。

若村:あれ、可愛い女の子に騙されたいって言ってましたよね?

翁長:……。

杉山:それこそがまさに男性的視点なのではないでしょうか(笑)。

ーー『オオカミ』シリーズは次世代スターの登竜門になりつつありますが、ここまで“ブランド力”がついた要因はどこにあると考えていますか?

杉山:ここからどんどん輝いてほしい、羽ばたいていきそうだなという点を意識してキャスティングはしているのですが、実際に出演者の皆さんが人気になっていくのは、ご本人たちの実力や努力のかいあってのことです。だから『オオカミ』の出演者がそのあと人気になったというのは、結果論にすぎないと思います。

若村:ただ、完璧な一面しかいままで見ることがなかった憧れのモデルや俳優の、人間らしい側面が見られるという意味では、『オオカミ』は貴重な番組になっているのではないかなと。たとえば、『Popteen』専属モデルのめるるやあいりるたちは、恋愛を通して悲しんでいる姿や無邪気に喜ぶ顔など、彼女たちの隠れた魅力を引き出せているように思いました。

杉山:確かにモデルの皆さんは『オオカミ』に出演してから、「写真を撮ってるときの表情が明るくなった」とか、「番組を通していままでとは違った見方をしてもらった」などと言ってくださることが多いです。あとは出演されている期間、自分自身と向き合って、たくさんのことを考える時間になっていると思うので、本当に多くのことを吸収して成長されていきます。だからこそ、いろいろな一面が出てくるのかなと。

ーーどのシリーズも10~20代を中心に根強い人気を集めていますが、AbemaTVならではの独自性やほかの恋リアとの違いはどこだと思いますか?

若村:制作陣と出演者の距離感が近く、彼らから学んだことをうまく番組に反映させていくことで、いまの若者の時流のど真ん中を捉えきれているというのが強みだと思います。

翁長:制作陣も比較的若いです。あとはアプリというツールを活かして、ターゲット層を詳細に設定し、実際の視聴層もデータとして細かく把握しているので、どうやったらティーンが見てくれるのかなど、いろんな仮説を立てては施策を試してを繰り返しているので、回を追うごとに常にアップデートしているのも成功の要因だと思います。

若村:あとは過去メンバーも含めて、出演者の皆さんが大きな資産であり、最大の強みです。ティーンからの支持や信頼が厚いインフルエンサーたちが多いので、その子たちと直接連絡が取れて意見をいただけたり、それを番組に反映させたりできるのは、これまでAbemaTVが3年かけて彼らと向き合って積み重ねてきたからこそだと思います。

ーー最後に、AbemaTVが手がける恋リアの展望を教えてください。

杉山:『オオカミ』は、最初に見ていた高校生たちがいまは大学生になっているので、大人になっても見られるように年齢層を広げていきたいなと思っています。あとは何年後かに、「あのとき見てたよね」と言われる番組になりたい。いま高校生や大学生である彼/彼女らの思い出の一つになってほしいです。

(取材・文・写真=戸塚安友奈)

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