中田英寿、イチロー……“メディア嫌い”のスポーツレジェンド、なぜ続々YouTubeデビュー?

 一方のイチローだが、こちらはブランドパートナーを務めるSMBC日興証券の公式チャンネルへの出演となっている。

#1 親からお小遣い1000円をもらう 【人生100年 イチロー人生すごろく】

 その内容は、中田動画に負けず劣らず面白い。「人生100年 イチロー人生すごろく」と題された動画の中で、イチローはサイコロトークを展開。「僕、本が漫画でも読めないんですよ。パラパラめくっていくのが苦手で……」「高校時代とにかく集団行動が苦手で、修学旅行に行きたくなかったので、野球を頑張っていました」など、ぶっちゃけ話を惜しげもなく披露している。ひざを崩し、楽し気に談笑する姿は、オリックス後期~メジャーリーガー時代に見せていたクールなイメージとは正反対の、“隣のあんちゃん”的親しみやすさがあるのも印象的だ。

 中田・イチローのような引退後のレジェンドに限らず、最近では、現シカゴ・カブスのダルビッシュ有が連日のように動画を投稿したり、また、現フィテッセの本田圭佑が元大阪府知事・橋下徹氏との対談動画をはじめ多数の動画を高頻度でアップしたりと、現役のスター選手もYouTubeで積極的に発信する事例が目立っている。

 忖度も制限もなく、自由に自分の思いを乗せやすく、さらに多くの人に届きやすいYouTubeというプラットフォームだからこそ、メディアと距離を取ってきたアスリートたちの新たな表現の場になっているのだろう。今後も、驚くようなレジェンド選手、あるいは現役選手の動画がある日突然YouTube上で公開され、今まで秘密のベールに包まれた素顔が明らかになっていくということは頻発していくのかもしれない。それにしても、こんな豪華コンテンツが無料で見られるとは、スポーツファンからするといい時代になったものだ。

■こじへい
1986年生まれのフリーライター。芸能・スポーツ・音楽・カルチャーのコラム・リリース記事から、ゲームのシナリオ、求人広告まで幅広く執筆中。

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