『iPhone 11』の価格設定に見え隠れする、Appleの大いなる野心

『iPhone 11』価格設定に見え隠れする“野心”

Appleの戦略は、iPhoneを媒介にしたその先に

 日本で圧倒的な人気とシェアを誇るiPhoneだが、『Statcounter』のデータによると、世界的にはSamsungにわずかながら及ばない。オペレーティングシステムで比較すると、AndroidがiOSに対して圧倒的に優勢で、新興国では、その傾向が特に顕著だ(参考:https://gs.statcounter.com/vendor-market-share/mobile)。

 『Techradar』は、Appleが映像をストリーミングできる「AppleTV +」を2019年11月1日にローンチすると伝えている。月額4.99米ドルで、追加費用なしで最大6人世帯で共有可能なほか、iPhone、iPad、Mac、Apple TVを購入すると、1年間の無料サブスクリプションが提供される(参考:https://www.techradar.com/news/apple-tv-plus)。

 スマートフォンが世界的に普及したことで、今後は携帯端末市場の大きな成長は望めない。洗練された高級感を全面に出してiPhoneをブランディングしていたAppleの主力商品はiPhoneだったが、今後はユーザーとの接点ということを強く意識し、値下げをしてでもシェアを拡大する戦略に打って出た。

 これは、AmazonがKindleを安価で販売する感覚に近づいていると言える。Appleはこの先、iPhoneを媒介にユーザーを増やし、サブスクリプション・サービス等で業績を伸ばす考えだろう。

■Nagata Tombo
ライターであると同時にIT、エンタメ、クリエーティヴ系業界にも出入りする。水面下に潜んでいたかと思うと、大空をふわふわと飛びまわり、千里眼で世の中を俯瞰する。

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