Microsoftが“ゲームストリーミング用モバイルコントローラ”の特許取得 xCloud用Xboxの噂も

 今年後半から本格的に立ち上がるゲームストリーミング市場では、Apple、Google、そしてMicrosoft・Sony連合がしのぎを削ることが予想されている。キープレイヤーのひとりであるMicrosoftは、こうした競争を見据えた特許を取得した。

スマホの左右にはさむコントローラ

 テック系メディア『The Verge』は9日、Microsoftがゲームストリーミング用のモバイルコントローラに関する特許を取得したことを報じた。同社はPC、『Xbox』、そしてスマホに対応したゲームストリーミングサービス『xCloud』のリリースに向けて開発を進めている。構造が異なるデバイスに統一的にゲームを配信する際に問題となるのが、スマホとそのほかのゲームデバイスの差異である。PCと『Xbox』は画面を直接タップすることはないが、スマホは画面をタップしてゲームをプレイする。こうしたゲーム体験の差異が、しばしばゲーム機のゲームをスマホに移植する際のネックとなっていた。

 今回特許を取得したスマホ用ゲームコントローラは、スマホに『Xbox』でプレイしているかの体験をもたらすものである。具体的には『Xbox』用のコントローラを左右に分割して、分割したパーツをスマホの左右にはさむようにするのだ(トップ画像参照)。この設計は、『Nintendo Switch』の携帯モードに似ている。

 また『The Verge』が3月に公開した記事によると、MicrosoftはPCやゲーム機でもスマホのように画面をタップしてコントロールすることを可能とするタッチアダプテーションキットも開発している、とのこと。この報道と今回の特許を考慮すると、同社は『xCloud』のリリースに合わせて何らかの外付けデバイスを発表すると見てよいだろう。

60ドルでゲームストリーミング

 『xCloud』に関しては、Microsoft製品専門ニュースメディア『MSPoweruser』が4日に『xCloud』用の『Xbox』の開発が進められていると報じた。『xCloud』においては『Stadia』のように画面描画のような負荷の大きい処理はサーバ側で実行するため、ユーザ側のデバイスに高性能な演算能力が不可欠ではない。こうした『xCloud』の仕様をふまえて、サーバとの通信機能に特化して必要最小限の機能だけを実装するのが『mini Xbox』という名前で噂されているデバイスだ。このデバイスはミニマムな性能を反映して、60ドル(約6,500円)で販売されるようだ。

 60ドルという『mini Xbox』の価格は、『Stadia』の初期投資額と比較するとその安さが実感できる。『Stadia』を利用するには、専用コントローラやChromecast Ultraを含む129ドル(約14,000円)の「Stadia Founder's Edition」を購入しなければならない。『xCloud』を利用するには『mini Xbox』に加えてコントローラが必要になると予想されるが、その初期投資額は129ドルより安くなるだろう。

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