YouTuberと一緒にメイクアップ! YouTubeがインタラクティブなARコスメ広告発表
スマートディスプレイの消費を後押し?
AR Beauty Try-Onに関しては、多数の海外メディアが好意的な記事を公開している。テック系メディア『The Verge』が19日に公開した記事では、AR広告自体はFacebookやSnapchatも昨年にテスト導入していることを指摘して、とくに珍しいものではないと述べている。しかしながら、YouTubeはすでに大多数のコスメ系動画の視聴者を抱えているので、広告効果という点で有利に立っていると指摘している。
US版TechCrunchが公開した記事は、同フォーマットは(ウェブ広告の集客効果を測る指標のひとつである)コンバージョン率を向上させるツールのひとつというよりも、視聴者を巻き込む一種の広告キャンペーンとして機能する、と評している。
テック系メディア『techrader』の記事は、同フォーマットとスマートディスプレイとの関連性を指摘している。スマートディスプレイとは、Google Nest Hubのようなスマートスピーカーにディスプレイが追加実装されたものなのだが、このカテゴリーの製品を使えば音声を使ってディスプレイを操作できる。スマートディスプレイを使えば、AR Beauty Try-OnをはじめとしたARインタラクティブ広告を気軽により大きな画面で体験できるようになる。その結果、同カテゴリーの製品の魅力を高め、ユーザの購買意欲を刺激するのではないか、と評している。
ちなみに、広告はARの活用方法として大きな成長が見込まれているセグメントである。AR/VRメディア『AR Insider』が昨年9月に公開した記事によると、世界のAR広告の市場規模は2022年までに26億ドル(約2,800億円)に達すると予測されている。
以上のようなAR Beauty Try-Onは、YouTubeのコスメ系動画のトレンドを大きく変える可能性がある。コスメ系動画の主流はもはや「見る」だけではなく、一緒に「試す」ものになっていくのかも知れない。
トップ画像出典:Google公開記事「Immersive branded experiences in YouTube and display ads」より画像を引用
■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter:@kohkiyoshi