YouTuberと一緒にメイクアップ! YouTubeがインタラクティブなARコスメ広告発表

 世界最大手の動画サイトYouTubeは、Googleの広告収入を支える大きな柱のひとつとなっている。そのサイトに、最新技術を駆使したインタラクティブ広告が導入される。新しい広告は、あるジャンルの動画の視聴者にとっては非常に「使える」ものとなっている。

YouTuberといっしょにメイクアップ

 Googleは18日、YouTubeにARインタラクティブ広告フォーマット「AR Beauty Try-On」を導入することを発表した。名称に「Beauty」という単語が使われていることから分かるように、この広告フォーマットはコスメブランドに利用されることを意識したものとなっている。

 コスメブランドが展開する広告活動の一環として、有名YouTuberとタイアップして自社の製品を使ってもらったメイクアップ動画を制作することは珍しくない。だがこうした動画を見ても、実際に視聴者自身がYouTuberと同じメイクをした状況を想像するのはなかなか難しいだろう。発表された新フォーマットは、こうした悩みをAR技術を活用して解決する。

 同フォーマットは上下に二分割された動画となっており、画面上部にYouTuber、下部には視聴者の顔がそれぞれ表示される(トップ画像参照)。画面下部では、視聴者がバーチャルにメイクアップできるようになっている。具体的にはリップの色を選択すると、その色が画面に表示された視聴者の唇に重なって表示されるのだ。こうした機能のおかげで、視聴者はYouTuberのメイクアップを確認しながら、自分もバーチャルにメイクを試せるようになる。

 今年のはじめに同広告をテストユーザに提供したところ、iOS版YouTubeアプリの30%のユーザがARメイクアップを体験し、平均して80秒以上メイクを試した、とのこと。同広告は、正式リリースではないアルファ版ながらGoogleが運営するブランドコンテンツプラットフォーム「FameBit」から利用することができる。

ディスプレイ広告もインタラクティブに

 またGoogleは19日、インタラクティブなディスプレイ広告を実装できる広告フォーマットSwirlを発表した。ディスプレイ広告とは、Googleで検索した時に画面上部に表示される広告欄のことである。企業はGoogleに広告料を支払うことで、このディスプレイ広告欄に広告を表示してもらっているのだが、この部分にインタラクティブ広告が表示されるようになる。

 Swirlを活用すると、スマホのディスプレイ広告欄にタップ可能な3Dオブジェクトが表示される。例えば広告に表示された香水瓶をスワイプすると回転して背面を見ることができたり、ズームイン/ズームアウトすることもできる。つまり、まるで目の前に製品があるかのような体験ができるのだ(下の画像参照)。

Google「Deliver more interactive ad experiences with Display & Video 360」

 前述のAR Beauty Try-OnとSwirlには、どちらもウェブ広告をインタラクティブ・コンテンツ化することによって、ユーザがより広告に没入できるようにする狙いがある。そして、ユーザをより広告に没入させれば、より大きな広告効果が期待できるというわけなのだ。

 なお、Swirlに対応した広告はGoogleが提供するウェブコンテンツエディターGoogle Web Designerから作成することができる。

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