「E3」での『Gears 5』発表を機に振り返る、“カバーシステム”など『ギアーズ』シリーズの魅力

 今年も世界最大のゲーム見本市E3がありました。『ファイナルファンタジー7』のリメイクや、『ゼルダの伝説 ブレズ オブ ザ ワイルド』の続編、キアヌ・リーヴスがやってきた期待の新作『サイバーパンク2077』など、大型タイトルの新情報が次々と解禁され、世界中のゲームファンが盛り上がっています。

 個人的にも『パンツァードラグーン』と『魂斗羅』の新作が発表された際にはPCの前で「マジかよ!」と前のめりになりました。そんなわけで夢いっぱいだったE3ですが、個人的に一番「遂に来たか」とテンションが上がったのが『Gears of War(ギアーズ・オブ・ウォー)』シリーズの最新作『Gears 5(原題)』の情報です。

Gears of War 4 リパッケージ版 - XboxOne 【CEROレーティング「Z」】

 通称『ギアーズ』こと『Gears of War』は、2006年にXbox 360用のソフトとして発売されました。地球によく似た惑星「セラ」を舞台に、人間と“ローカスト”と呼ばれる異種族の壮絶な戦いを描いた三人称のシューティング/アクションゲームで……と書いただけでは、ぶっちゃけ新鮮味はないと思います。なんといっても13年も前のゲームですし、同系統のゲームも山というほどありますし。当時はグラフィックの美しさが話題となりましたが、グラフィック周りの技術は日進月歩なので、これも今ではピンと来ないかもしれません。シリーズのファンである私も、今になって見直してみると「当時としては凄く綺麗だなぁ」という感想に留まってしまいます。

 では、このゲームの何が凄かったのか? それはチェーンソー付きの銃で相手をブッた斬るという衝撃的なアイディア、そして本作の肝である“カバーシステム”です。

 デカい男たちがデカい銃を持って戦う。これだけでも既にUSA感が半端じゃありませんが、『ギアーズ』はそれだけでは終わりません。なんと銃にチェーンソーがついているのです。このチェーンソーつきの「ランサーアサルトライフル」を振りかざせば、轟音と共に(一部例外を除いて)敵を真っ二つに叩き斬ることができます。もちろん斬った相手は即死。日本のゲームでも『ファイナルファンタジー8』(1999年)で「ガンブレイド」という剣と銃を合体させた超カッコいい武器が登場しましたが、あれに匹敵する天才の発想だと言っていいでしょう。まさに肉を肉で挟むアメリカ人にしか思いつかない発想、これぞ文化遺産です。床の間が持てたら是非とも飾りたいですね。

 そしてもう一つの見どころが“カバーシステム”です。皆さんはアクションゲームで自キャラに対し、「なんでもっと上手く隠れられないの!?」と、もどかしさを覚えたことはありませんか? 実際に撃ち合いをする時、人は撃たれないように身を隠すものです。ノーガードで撃ちまくるのは『スカーフェイス』(1983年)でコカインをキメたトニー・モンタナくらいでしょう。

 しかし、多くのシューティングゲームでは、隠れることはあまり重視されません。そのため敵から撃たれまくっている時に、不格好に身を隠すこともしばしば。先に書いたようなもどかしさを感じる場面も多々あります。『ギアーズ』の“カバーシステム”は、こうした点を解消したシステムです。ボタン1つで壁や障害物にパッと張り付いて身を隠す。文章にするとたったこれだけなのですが、この操作感は唯一無二。大げさに思われるかもしれませんが、生まれて初めて『ギアーズ』を触ったときの感覚、この“カバーシステム”を初めてやった時の感覚は忘れられません。もちろん物陰に隠れながら銃を撃つこともできます。しかも操作が簡単で、アクションゲームが物凄く苦手な私でも、簡単に覚えることができました。

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