TikTokでの“トークボックス講座”も話題 JUVENILEが語る「トークボックスの魅力」

JUVENILEが語る「トークボックスの魅力」

 「声を入力するにも、トークボックスの発音っていうのがある」

ーーなるほど。ちなみにトークボックスって、どれくらい種類があるもんなんですか?

JUVENILE:その話をすると、そもそも「トークボックスとは何か」みたいな話になるんですけど、ソースもギターやキーボードと色々あって、そこにスピーカー的なものとホースがあればトークボックスなんですよ。そのなかで市販で売られているものだと、アンプが内蔵されてるものとされてないものの2種類があります。アンプがあるものはエフェクターとしての役割もあるので、ギタリスト向けでもあり、アンプのないものはコンプレッションドライバーが必要、という感じですね。アンプ内蔵タイプはBANSHEE、内蔵でないものはHEILというメーカーのものが大半です。ここ3~4年はMXRというメーカーから新しいモデルが出ていて、個人的にはこれが一番使いやすく、ライブでもレコーディングでも活躍してくれています。

ーーMXRはどうなんですか? 最近のモデルとなると、やっぱり性能が大きく変わっているのかなと思ったんですが。

JUVENILE:BANSHEEはギター向きということもあってノイズが多いんですが、MXRはノイズが少なくて良いですね。あと、トークボックスの人って、ある程度のところまでいくと、みんな自作するんです。そのアンプとスピーカーを別々に調達して作っていくんですけど、いかんせんデカくて重くて。アンプもオーディオアンプを使ったりするとすごい重量になるんですよ。ただ、MXRはそこそこ重いけど、すごい楽なんです。

ーーなるほど。それって、見る/聴く側からしてもわかるものですか?

JUVENILE:いや、使っている人以外はほとんどわからないと思います。

ーー見た目的には、アンプの有無で足元の見た目とか動作が変わるくらいですよね。音に関してはどうですか?

JUVENILE:音の違いに直結するのは、意外とホースの太さと長さだったりしますね。基本的にホースが太くて短ければ短いほど、音が太いんですよ。で、細くて、長ければ長いほど痩せていって、フィルターがかかったような音になる。ローがどんどんなくなっていくというか。

ーーヘロヘロしてくるわけですね。

JUVENILE:そうなんですよ。で、単純に太くてデカイと口の中で邪魔なので、滑舌に影響するんですよ。細い方が滑舌が良くなりやすいんですけど、吹き口が細いので塞がりやすくて、唾でビチャビチャになって詰まったりしやすかったり、人によって合う合わないが違うんですよね。買ったときについてるホースをそのまま使ってる人が多いんですけど、そういう理由で変えている人も結構いますよ。

ーー本人の口の大きさとか、そういうところでも変わってくるんですね。面白い。あと、ボーカルを楽器にするとなると、トークボックスのほかにもヴォコーダーやオートチューンという選択肢もあるわけですが、その使い分けついても教えてもらえますか。

JUVENILE:なんだろう……感覚的な話になるんですけど「ここはローズ・ピアノじゃなくてアップライトピアノでしょ」みたいな感じで、「ここはヴォコーダーじゃなくてトークボックスでしょ」みたいな感じで使うんです。なのでヴォコーダーもオートチューンも使いますし、OOPARTZでもRYUICHIのボーカルにオートチューンをかけたり、歌の周りをヴォコーダーで作った和音で囲ったりするんです。iZotopeから出ているボーカルシンセもいいんですけど、プリセットに入ってるトークボックスは、再現度が低いというか、何か違うんですよね。

ーーホーンだったり、息だったり、ちょっと再現しづらいものが絡んでくるからですか?

JUVENILE:確かに。声を入力するにも、トークボックスの発音っていうのがあるんですよ。ボーカルシンセは普通に歌った声を変換するので、それが基準になっているから違和感を覚えるのかもしれません。

ーートークボックス用の発声?

JUVENILE:そうなんです。人間の耳ってすごいなと思うのは、結局ちょっと違う発音にしていてもそうだって認識できるんですよね。たとえば〈California Love~♪〉って歌うときも、そのままの発音だとフニャフニャしないんですよ。だから、空気を抜く感じで崩して口を動かした方がいいんです。発音をちょっとデフォルメするというか。

ーー面白いですね。それは使いこなしていないとわからないことだと思います。

JUVENILE:ヴォコーダーのようなものもあって、混同してしまうからあまりそこまで入ってくる人もいないし、理解者も少ないんですよね……。ライブでも、プロのPAさんから「どこに差せばいいんですか?」って聞かれたり、卓に入れようとしたりするので。口から出てマイクで拾う、ということ自体が認識されてなかったりするんですよ。

JUVENILE

ーーだからこそ、ソフトウェア一発でポンと出るものとは全然違う音も出ますし、それぞれに適したセッティング、その人にしか出せない音もあるわけですよね。

JUVENILE:そうですね。どう作っているかシンプルでわかりやすいというのも、トークボックスならではの利点だし、良くも悪くも単一化してしまうヴォコーダーとの違いなのかもしれません。トークボックスを説明する時、「ここは声を使ってなくて、口パクしてるだけなんですよ」と言うと、「じゃあ全員、同じ音になるの?」と聞かれて「そうです」って答えちゃうんですけど、そうじゃないんですよね。骨格が違うし、設定も違うので。

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