世界でInstagramフェイスフィルターに起こっている、「トレンド」と「美学」の変化

 「グロッシー」「メタリック」「シュール」ーーBeauty3000フィルター以外にもこのような「aesthetic(美学)」がたくさん見られる。例えば@wrld.spaceは金色のホットドッグでできた天使の輪のフィルターを公開し、@fvckrenderのフィルターは銀色の手やクリスタルが顔の前に現れる。このように、似たようなフィルターばかりが作られているのは偶然ではなく、クリエイターたちはFacebookグループでアイディアを共有し、意見交換をしているそうだ。

 なお、Instagramでクリエイターのフェイスフィルターを使用するためには、作成者をフォローすることで、アプリ内のカメラに表示されるようになる。フィルターは無償で提供されるが、クリエイターはSNSで得た知名度を機に新たなチャンスに繋げることができるという仕組みである。

 まだInstagram上でも新しい機能であるため、クリエイターを数人フォローするだけでカメラがフィルターで溢れ、目当てのものが探しづらくなってしまう。しかし現在の需要を考えると、今後はより使いやすいようにアップデートされる可能性が高いだろう。

 発表当時、「Snapchatのパクリ」とも揶揄されたInstagramのストーリー機能だが、アクティブユーザーは増え続け、2017年以降はSnapchatを上回っている。国内ではLINE、Twitterに続き3位となったInstagram国内の月間アクティブアカウント数が2,900万人(2018年11月)を突破し、Facebookの月間アクセスユーザー数である2,800万人(2017年9月)を抜いた。

 日本でも昨年10月に渡辺直美がフェイスフィルターを作ったりと、Instagramのフェイスフィルターの勢いは止まりを見せない。スマホが普及して以来、カメラ性能の向上とSNSの大衆化により、自撮りをネット上にアップロードするユーザーが増えていった。

 InstagramやSNOWのフェイスフィルターを通し、顔認識やAR技術などの知識がない人も気軽に体験できることが、個人的にはとても興味深く感じる。クリエイターは多くのユーザーからのフィードバックを受け、また自分でも作ってみたいと感じる人が増えることで、このような技術がさらに発展していくことに期待したい。

(文=かぷぬ)

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