Instagram、ビデオチャットなど新機能リリース IGTVとのシナジー効果は生まれるか?

 Instagramは先月、親会社のFacebookの年次開発者会議F8において新機能を発表した。その新機能がついに利用可能となった。Instagramをより使いやすくする新機能は、意外にも先日リリースされたあの動画アプリの視聴に少なからず影響を与えるかもしれない。

最大4人まで参加できるビデオチャット

ビデオチャット、新しいExploreなどの機能を追加

 利用可能となる新機能のなかでもっとも新規性に富むものが、ビデオチャットである。同機能は、トップ画面をスワイプすると表示されるダイレクト機能画面から利用できる。最大4人まで参加可能で、参加ユーザの電話番号がなくてもチャットすることが可能だ。ビデオチャット中は動画スクリーンを縮小し、会話を続けたままメッセージや画像、あるいはDMを送ったり、ストーリーズを投稿するといったマルチタスクにも対応している。

 ビデオチャットのブロック機能もあり、ブロックしたユーザからはビデオチャットが発信されなくなる。ビデオチャットの通知を受け取らないミュート機能も実装している。ミュート機能は、プロフィール画面の歯車アイコンをタップして、「プッシュ通知」の設定を変更することで実行できる。

 
 以上のようなビデオチャット機能は、Instagramと競合するSNSアプリにも実装されているものである。例えば、Snapchatは最大16人までのビデオチャットに対応しており、iOS端末で利用できるFaceTimeはiOS12にアップデートされる今年秋以降から最大32人が参加できるようになる。Instagramの同機能は競合アプリに比べて参加可能ユーザ数が少ないことから、ビジネスシーンではなくプライベートでの利用を想定していると言えるだろう。

新しいExploreにARカメラエフェクトも

 Exploreページ(虫めがねアイコンをタップすると表示される検索画面)には、関心のある投稿を探しやすくする「トピックチャンネル」が追加された。Exploreページ上部に大きく「旅行」等と表示されたアイコンをタップすると、特定のトピックにまつわる投稿がまとめて表示される。また、「おすすめ」アイコンをタップすると、ユーザの行動をもとにパーソナライズされた投稿が並ぶ(下の画像参照)。こうした新機能により、ユーザはより効率的にお気に入りの投稿を発見できるようになるのだ。

画像出典:「ビデオチャット、新しいExploreなどの機能を追加」

 ストーリーズにも新たなカメラエフェクトが追加される。この新しいカメラエフェクトは、Ariana GrandeやBuzzfeedといったアーティストやメディアのアカウントをフォローすると使えるようになる(下の画像参照)。これらのカメラエフェクトは、昨年Facebookが発表したARカメラエフェクト開発環境「Camera Effects Platform」を用いて、クリエイターが制作したカスタマイズされたものだ。以上のようなARカメラエフェクトは、アーティストやブランドのマーケティングに活用されるだろう。つまり、ARカメラエフェクトが欲しいから特定のアーティストやブランドをフォローする、というビジネス戦略が可能になるのである。

画像出典:「ビデオチャット、新しいExploreなどの機能を追加」

 

Instagramで見つけ、IGTVで視聴する?

 以上のような新機能はInstagramの魅力と利便性を向上させることは言うまでもないのだが、さらに期待できることがある。それは、Instagramが先日リリースした動画アプリIGTVの視聴を誘発するシナジー効果だ。

 IGTVとは、今月20日に発表されたスマホでの視聴に特化した長時間縦長動画アプリだ。Instagramに投稿できる動画が最長1分間なのに対して、IGTVは最長1時間の動画を投稿できる仕様となっている。IGTVは明らかにYouTubeを競合アプリとして想定しているが、ユーザを流入させる戦略が注目されるところだった。

 以上のようなIGTVは、実のところ、Instagramのトップ画面にあるアイコンからも起動できるようになっている(下の画像参照)。この起動アイコンがあるために、例えばExploreページで発見した気に入ったアカウントのIGTVコンテンツもチェックする、ということが簡単にできるのだ。同じようにお気に入りのカメラエフェクトがあるアカウントのIGTVコンテンツを視聴する、というユーザ流入経路も想定できる。それゆえ、Instagramでお気に入りのアカウントが発見しやすくなると、間接的にIGTVの視聴も誘発することになる。

画像出典:「IGTVへようこそ」

 周知のようにスマホ動画に関するエコシステムは、YouTubeを頂点として成熟の域に達している。こうした成熟市場に投入されたIGTVは、Instagramから生まれる「つながり」を起点として勢力を伸ばすかもしれない。

参考記事
Instagram Info Center「ビデオチャット、新しいExploreなどの機能を追加
US版TechCrunch「Instagram now lets you 4-way group video chat as you browse

■吉本幸記 
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。
Twitter:@kohkiyoshi

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