世界最大級の楽器見本市『NAMM Show 2019』開催 注目新製品をピックアップ
Steinberg AXR4
32bit Iinteger(整数)/384KHzという、凄まじい分解能で業界を驚かせたAXR4。まさに業界最高クラスのオーディオインターフェイスが登場したと言えるだろう。位置づけとしてはエントリークラスのURシリーズ、プロユースのUR-RT、その最上位であるスタジオユースに位置する。32bit float(浮動小数点)ではなく、整数であるという点に注意。
YAMAHAのVCMテクノロジーでモデリングされたRupert Neve Designs譲りのSILK機能や、4つのプレミアムなDSPエフェクト、ソフト側でシーン設定可能なルーティングマトリクスなど、機能面の充実っぷりも抜かり無い。とかく、これだけのスペックをもったオーディオインターフェイスの登場は、これ以降の競合製品に少なからず影響を与えるだろう。
Spectrasonics Omnisphere 2.6
最後は、定番ソフトシンセのバージョンアップ報告で締めくくろう。9ヶ月ぶりのアップデートでより品揃えに磨きがかかった、Omnisphere。Roland Juno-106や、Alesis Andromeda、KORG Milogue xdなど、60を超えるハードシンセをサポートし、ライブラリも拡張された。
特に強化されたのが、評価の高いアルペジエイターだ。ライブラリの強化や新機能の追加のほか、MIDIへの書き出しに対応した。アルペジエイターでMIDIを生成し、リージョンに貼り付けることができるのだ。作曲時には、大いに役立ってくれるだろう。
NAMMで発表された機材の予約や発売も、これから順次始まる。ミュージシャンにとっては悩ましくも魅力的な季節がやって来たが、楽器店に足を運んだりレビューをチェックするなどして、逐次情報をチェックしておきたい。
■ヤマダユウス型
DTM系フリーライター。主な執筆ジャンルは音楽・楽器分析、アーティストインタビュー、ガジェット、プリキュアなど。好きなコード進行は<IVM7→VonIV>、好きなソフトシンセはSugarBytesの「Obscurium」。主な寄稿先に『ギズモード・ジャパン』、『アニメイトタイムズ』、『リアルサウンド』。