2019年ジャニーズWebコンテンツ加速への期待は? 滝沢秀明のLINE LIVE生配信から考える
さらにLINE LIVEのような生配信サービスを利用することで、新たな効果を生むことも期待できる。これまでのジャニーズ事務所のプロモーションを考えると、タレント側からファンへの一方通行の場合がほとんどだった。しかし、生配信サービスを利用することで、双方向性コミュニケーションが実現する。実際、滝沢のLINE LIVEでも30分間の配信のほとんどがコメントを通じたファンとのコミュニケーションとなっていた。
例えば、『孤高のメス』の撮影裏話では「語ってほしいトークテーマを番号で送ってください」というフリップを用意。コメント数が多かった「共演者との撮影時エピソード」「大変だったこと」「出演オファーを受けた感想」を答えていた。他にも、常にコメントを読み上げたり、顔認識スタンプで遊びながらコメントを読んだりする場面も。また、生配信サービスではないものの、ジャニーズ事務所公式YouTubeチャンネル『ジャニーズJr.チャンネル』も然り。コメント欄に寄せられた意見をピックアップし、「質問に答えます」をいう動画をアップしているグループも複数ある。
これまで、ファンからタレントへの発信機会が限られていたジャニーズ事務所。滝沢のLINE LIVEでも「ジャニーズすげー」「時代は変わった」というコメントがあったのがいい例だろう。少しずつだがWebコンテンツへの進出も進んでいたものの、双方向性コミュニケーションが行なわれることはなかったのである。だが、滝沢がプロデュース業に携わり、配信サービスを積極的に取り入れていくことになれば、ファンから発信できる機会も一気に増えていく。これまで、絶対的なアイドルという存在だったジャニーズタレントたちが、少し身近に感じられるようになるかもしれない。
もちろん一長一短あるが、「会いに行けるアイドル」やファンサービスが良いアイドルが取り沙汰される昨今、双方向性コミュニケーションはアイドルにとっても欠かせないプロモーションツールとなることは間違いない。そして、これまで頑なにWeb戦略を行なってこなかったジャニーズが行なうからこそ、より一層ファンの心を掴むことにつながるのだろう。2019年、ジャニーズ事務所のWeb戦略はどう変わっていくのだろうか。2019年の年末には、「まさかここまで進化するとは……」と執筆している自分の姿が想像できる。
(文=高橋梓)