“日常系”YouTuberはなぜ人気? 突如として現れた新星「もちお」の魅力を考察
このところ自分のありのままの日常を動画にする“日常系”YouTuberの存在感が増してきている。モーニングルーティンや「〇〇の休日」など、急上昇動画として上がっていることも多く、観たことがある方も多いだろう。なぜこれほどまでに日常系動画が再生されるのだろうか。日常系YouTuberのシーンを解き明かすとともに、最近YouTubeで頭角を現している女性YouTuber「もちお」の魅力に迫る。
日常YouTubeシーンの現状と魅力
ここ数年でHIKAKINやはじめしゃちょー、フィッシャーズらによるTV番組への出演や楽曲リリースなどYouTuberというものが世間的にも認知されるようになってきた。彼らはYouTubeを通して視聴者に娯楽として楽しんでもらえるような動画を制作し人気を獲得してきた。
このようにYouTubeで人気を獲得するためには何か面白いコンテンツを作ったり、誰もがやっていないことをやるということが、YouTuberにとって人気を獲得するための近道でもあった。他人との差別化を図る必要性が少なからずあったことだろう。しかし、YouTubeというものが若者にとってTVを超えた影響力すら持ち始めたように見える昨今、この傾向は徐々に変化し始めている。ブログ的な感覚で動画を投稿する日常系YouTuberが注目されるようになってきた。最近では女性YouTuberによる一人暮らしルーティン動画や料理動画などが急上昇に上がるのも少なくない。
日常系動画、その魅力は共感を覚えやすいということがあるだろう。例えば、ライフスタイル動画を投稿しているYouTuberのusagiによる「【ナイトルーティン】平日仕事帰りOLのリアルすぎるナイトルーティン☆ キラキラじゃない私の毎日。部屋も私服もギリギリ公開!平日料理に美容、まとめてご紹介」などはその最たる例だと言える。普段目にすることはない他人の私生活が気になったり、料理動画においても料理のレシピが気になって見にきていると言うより、料理の仕方やそれこそルーティンに共感したりする視聴者が多いのである。
人気急上昇のチャンネル「まもみめもちお」とは
その中でも、もちお(チャンネル名:「まみむめもちお」)は、現在チャンネル登録者数が4.4万人(2018年12月10日現在)、ここ数ヶ月で大幅に視聴者を増やしている人気急上昇中の新星YouTuberだ。
歯科衛生士として仕事をしながらYouTubeをしているもちお。動画「もちおです!自己紹介してみます!」によれば、約2年前からYouTubeに動画を投稿したかったそうだが、「中途半端なやつは叩かれて終わる」と言われたことから始めるのを躊躇していたとのこと。YouTubeで今後は「やりたいことをやる」と話しており、今後どのような投稿をしていくのか楽しみな存在だ。
初投稿は2018年4月公開の動画「YouTubeはじめました!逆立ちで牛乳飲んでみます!」だ。チャンネル開設当初はYouTuberといえばというような逆立ち牛乳やシャトルイート、おにぎり30秒チャレンジなどを投稿し活動していたもちおだが、徐々に日常系動画を投稿するようになる。
もちおの動画の中で最も再生回数が多い動画は「リアルすぎる仕事から帰宅して寝るまでの日常【ナイトルーティーン】」である。タイトルの通り、帰宅後の日常をひたすら流し続けるというものであるが、バズりにバズり現在では再生回数81万回(2018年12月5日現在)を記録。チャンネル登録者数と比較してみると、いかに再生されているのかが分かるだろう。これは飾らないありのままのルーティンに共感する視聴者が多いということでもある。
実際に動画では、一人暮らしのあるあるネタなど一人暮らし経験者なら「あるある!」と共感してしまう内容になっていた。字幕のコメントに現れている大雑把なもちおの人間性にも思わず共感してしまう。その共感から生まれる親近感こそがもちおの魅力でもある。