『ロックマン11 運命の歯車!!』レビュー:8年越しの再起動を果たしたシリーズの新たなる一歩

再起動一作目に相応しい完成度 新展開に期待

 サポートキャラクター「ラッシュ」をワンボタンで呼び出せたり、右スティックで特殊武器を瞬時に切り替えられるショートカットメニューを表示できる、オプション設定で「スライディング」をワンボタンで行えるようになるなど、今作は操作性、快適性も洗練されている。

 だが、セーブシステムだけ異様に不親切なのは気になる。前作のように、ステージクリア後にセーブするか、しないかの選択画面に移行しなくなってしまったのだ。あろうことか、その説明もなく、オートセーブと勘違いしやすい。なので、酷いと勘違いしたまま終盤まで進め、一旦ゲームを終えて再開したら最初からやり直しという事故に遭いやすくなってしまっている。

 ここは素直に旧作を踏襲すべきだった。折角、他の操作性などが洗練されているのに、ここだけ過去作よりも酷くなっているのは残念だ(ちなみに何の偶然か、3DCGを採用した『ロックマンロックマン』もこの方式だった)。

 他にもやり込み要素として用意された「チャレンジ」が上級者向けのコンテンツ中心なのも頂けないが、総じてロックマンシリーズ再起動の一作目としては盤石の仕上がりになっている。課題も多いが、「よくぞ、ここまで」と唸らせる完成度。シリーズの基本に立ち返ることに特化し、丁寧に進化させた傑作というに相応しい。

 反面、要素を絞り込んだなりの物足りなさも際立ってしまっているが、そこは次なる『ロックマン12』での進化に期待したい。だが、それ以上に今の時代ならではの「八人目のロックマン」が誕生して欲しいところだ。ロックマンエグゼ、流星のロックマンのような、今の世代に向けた全く新しいロックマンのことである。筆者はその時を心から楽しみにしている。此度の新作で、ロックマンの面白さが改めて示されたからこそ、思い切った新展開を見てみたいのだ。

 長くなってしまったが、素晴らしいロックマンを作り上げたカプコンの制作陣に大きな拍手と感謝の言葉を送りたい。そして最後にこの一言でレビューを締めさせて頂こう。

「おかえり、ロックマン!」

■シェループ 
新旧構わず、色んなゲームに手を伸ばしては積みゲーを増やし続ける人。コソコソとゲームライターとしても活動し始めた。2D、3Dのアクションと手強めの戦略シミュレーションが大好物。最近、『スプラトゥーン』のジャッジくんが気になって仕方がない。
Twitterアカウント(@shelloop

ロックマン11 運命の歯車!! - PS4

■ロックマン11 運命の歯車!!
発売日: 2018年10月4日(木)予定
対応ハード: PlayStation®4 / Nintendo Switch™ / Xbox One / PC(STEAM)
ジャンル: アクション

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