VERBAL「火星に移住してみたい」 『イノフェス2018』で山崎直子らと“宇宙の歩き方”語る
宇宙飛行士の山崎直子、m-flo/PKCZ®のVERBAL、m-floの☆Taku Takahashi、クリエイティブ・ディレクターの高城剛が、9月29日〜30日に六本木ヒルズで開催されたテクノロジーと音楽のフェスティバル『J-WAVE INNOVATION WORLD FESTA 2018 Supported by CHINTAI』に登壇し、「宇宙の歩き方」というテーマでトークセッションを繰り広げた。
「INNOVATION WORLD FESTA」通称「イノフェス」は2016年からスタートした、FMラジオ局J-WAVEと筑波大学が共催するフェスティバルで、今年はJ-WAVE開局30周年を記念して、ミュージックプロデューサーにVERBAL、テクノロジープロデューサーに落合陽一を迎え、豪華クリエイター&アーティストが多数出演。30日は台風の影響で一部のトークセッションやライブが中止となったが、多くの観客が訪れ、最先端のテクノロジーについての催しの数々を楽しんだ。
「宇宙の歩き方」は、高城剛が司会進行を担当し、実際に宇宙に行った経験を持つ山崎直子と、未来や宇宙をテーマとした楽曲を発表してきたm-floのふたりに、様々な質問を投げかける形で進行。1961年に世界初の有人宇宙飛行士となったユーリイ・ガガーリンのエピソードや、理論物理学者のキップ・ソーンが科学コンサルタント兼製作総指揮を務めたクリストファー・ノーラン監督の映画『インターステラー』(2014年)などを話題にしながら、最先端の宇宙研究に対するそれぞれの考え方に迫った。
高城から、宇宙や未来をテーマとした楽曲を制作する際に、m-floはどんなアプローチをしているのかを問われると、☆Takuは「SF作品の好きなところは、科学の発展とともにより人間性が求められるというテーマが内包されているところ。例えば、インターネットができたことで“ネチケット”が求められるようになった。新しい力を得た時、人間はそれを正しく使えるのかどうか試されることになるので、テクノロジーの発展は結果的に人間を成長させることになると思う」と、ポジティブな未来感を楽曲に反映していることを明かす。
また、高城から「(宇宙飛行士として訓練を受ける中で)宇宙人についてのレクチャーはありましたか?」と問われた山崎は、「ないですね」と答えつつも、「私も見たことはないんですが、広い宇宙なのでどこかにはいるんじゃないかなと思っています。人間が進化して宇宙に住むようになったら、それが宇宙人と言えるのかもしれない」と自身の見解を語る。そのような“宇宙人=未来人”と交流するようになった際、新たな道徳が必要となるかもしれないとの高城の指摘に対し、☆Takuは「異人種の価値観をいかに理解するかは大切。ガガーリンは『地球は青かった』という言葉を残したとされていますが、宇宙から地球を見ると、その捉え方も変わりそう」と、未来人の感覚に思いを馳せた。
実際に宇宙に行った山崎は、「地球は水の惑星というイメージがありますが、その水を一箇所に集めると、イメージよりずっと少ない。木星の衛星であるガニメデなどの方が多くの水がある。そう考えると、宇宙にはまだまだ可能性がある」と、他の惑星について触れるとともに、宇宙から地球を見た感想について「昼間は大自然のすごさが際立つけれど、夜は街の明かりで人間の文明のすごさがわかる。地球は一つの宇宙船なんだということが、理屈じゃなくて体で理解できた」と述べた。