台頭する中国メーカーへのけん制? Samsungモバイル部門CEO「折り畳み型スマホ」年内リリースを明言
来たる9月12日、次期iPhoneの発表に世界の注目が集まるが、スマホ市場は成熟市場となって久しく、大きな成長と変化を望むのが難しい状況になっている。そうしたなか、スマホ世界シェア1位に君臨するSamsungが、この市場に新たな矢を放ちそうだ。
11月にも発表か?
大手アメリカメディアCNBCは、5日、Samsungのモバイル部門CEOであるDJ Koh氏が同メディアに対して年内に折り畳み型スマホをリリースすると発言したと報じた。折り畳み型スマホとは、ガラケーのようにヒンジ(蝶番のような部品)によって端末を開閉するものではなく、ディスプレイ自体を折り畳むことができるスマホのことである。
同メディアは、同氏に対して折り畳み型スマホには他のスマホにはないどんなメリットがあるのか、と尋ねたところ、次のような回答があったという。「どんなデバイス、どんな機能、そしてどんなイノベーションもエンドユーザに対するメッセージとなるに違いありません。だからユーザが折り畳み型スマホを使った時、これこそがSamsungが作ったものなんだ、と思うのです」。
さらに同氏は、11月にアメリカ・サンフランシスコで開催される同社の開発者会議Samsung Developer Conferenceで、件のスマホに関する詳細が明らかになることを示唆した。同氏によると、折り畳み型スマホの開発は「複雑」だが「終わりに近づいている」とのことだ。
折り畳み型スマホ開発競争の現状
テック系メディア『The Verge』も、Samsungの折り畳み型スマホに関する記事を掲載した。その記事では、折り畳み型スマホの開発競争についてまとめている。
実のところ、Samsungは折り畳み型スマホに実装する曲がるディスプレイを長年開発しており、2012年には最初の試作品を発表している。その後も、同社はデュアルスクリーン型スマホのテストも続けることで、折り畳み型スマホに関する市場の反応をうかがっていた。2014年には、折り畳み型スマホのコンセプトを伝える広告を発表している(トップ画像および下の動画参照)。
折り畳み型スマホを開発しているのは、Samsungのほかには中国メーカーLenovoがある。同社は2016年に曲がるディスプレイを実装したスマホのコンセプトを発表している。MicrosoftもデュアルディスプレイのSurfaceの開発に興味を抱いていると言われており、韓国メーカーLGは今年初めに新聞紙のyように丸まるディスプレイを実装した4Kテレビの試作品を発表している。