金爆樽美酒SNOWスタンプ、欅坂46うたんぷ……アーティストのSNSスタンプ戦略を考察
アーティストにとって、LINEスタンプやSNOWスタンプといったオリジナルスタンプは、今やタレントグッズの一つであり、プロモーションの一環としても大いに利用され、ファン層を広げる重要なコンテンツとなっている。
8月15日にゴールデンボンバーの鬼龍院翔が自身の公式ブログにて、カメラアプリ「SNOW」で誰でもゴールデンボンバーの樽美酒研二になれる顔認識スタンプがリリースされることを、自らが白塗りメイクが施された樽美酒となって発表した。樽美酒以外のメンバーも次々とSNSにアップし、彼ららしいユニークな仕掛けとその完成度の高さで、SNS上で大好評となっている。そこで今回は、アーティストのユニークなスタンプについて、調査してみたいと思う。
スタンプと言えば、やはりLINEスタンプ。公式で初のアーティストスタンプとなったのが2012年10月にベッキー♪#(歌手名義の表記)プロデュースによるキャラクター「べき子とベキオ」だとされているが、そこから発展し、現在ではボイス付き、アニメーション、飛び出すポップアップものなど様々な形態のスタンプが販売されている。GACKTや布袋寅泰のような存在自体がキャラクターとしてインパクトのある人や、横山剣(クレイジーケンバンド)の名言「イイネ!」のように、キラーフレーズを持つアーティストはLINEスタンプとして使い勝手がよく、やはり人気だ。
中でも衝撃だったのが、ご存じ元The Beatlesのポール・マッカートニー。2015年に発売された「しゃべるポール・マッカートニー」は、ポップミュージックの世界で神様と言えるポールが「チョースバラシイ!」や「マイド!!」といった日本語を喋るもので、その意外性から当時は大いに話題となった。これは単独来日ツアー『アウト・ゼアージャパン・ツアー2015』を記念したLINEスタンプだったのだが、ポールにここまでやらせてしまうと、もはや勝てるのは柳沢慎吾の飛び出す「あばよ!」スタンプぐらいかもしれない。
イラストレーターが描くアーティストとのコラボスタンプもユニークなものが多く、GLAYと『The World of GOLDEN EGG』がコラボしたスタンプは、「JIROがOKならOK!」や「最後のファイナルだ!」といった“迷言”から、「HOWEVER」のポーズで「んなバカな」とツッコミを入れていたりと、GLAYの世界観をGOLDEN EGGらしいコミカルな絵で絶妙に表現している。また、BABYMETALのスタンプはイラストレーターの五月女ケイ子が担当し、こちらも彼女たちの躍動感をコミカルに表現していた。普段はクールなアーティストを崩してチャーミングに描くのは、もはや人気スタンプを作るための方程式のひとつと言えるかもしれない。