金爆樽美酒SNOWスタンプ、欅坂46うたんぷ……アーティストのSNSスタンプ戦略を考察
プロモーションの一環として発売されることが多いスタンプだが、それを巧みに利用しているのはAKBグループだろう。うたんぷやポップアップものなど、様々なアイテムがある中で、総選挙絡みのスタンプは毎年恒例となっている。特に2017年の「49thシングル選抜総選挙」の際には、立候補メンバー全322名のスタンプを発売するという前代未聞のキャンペーンを展開している。もはやスタンプは、相手に送るだけでなく、コレクターアイテムにさえなりつつあるのだ。
リリースされる曲自体をスタンプにするのも定番化しつつある。以前はMUSICスタンプと呼ばれ、今は前出の「うたんぷ」として定着。乃木坂46や欅坂46から倖田來未、そして和田アキ子といった大御所まで「うたんぷ」をリリースしている。中でも革新的だったのは、LINEスタンプでベストアルバムを出してしまったゴールデンボンバーだろう。人気曲の8秒間バージョンを24曲配信し、8秒間で完結する新曲「出逢って8秒」も収録され話題となった。
そんな遊び心旺盛なゴールデンボンバーにとって、今回のSNOWスタンプはまさに真骨頂と言えるだろう。SNOWのスタンプは、2016年に歌手の宮脇詩音が自ら商談し、日本アーティストで初となるコラボを実現。その後は藤田ニコルがCMとタイアップしたスタンプなどが話題となったが、ARで顔に装飾されたり、文字が載ったりするものなので、どのような形式にするかは工夫が必要である。しかし、普段から特徴的なメイクをしている樽美酒を題材とすれば、彼のようになれるというだけでインパクトは絶大である。しかも、「女々しくて」の替え歌「目デカくて」が流れる仕様となっているのだからたまらない。樽美酒本人もスタンプを使った写真を公開し、「 #私の彼氏がついに頭おかしくなった #に使ってください」とコメントして、さらに盛り上げていた。
ゴールデンボンバーは9月1日、作詞、作曲、歌唱を樽美酒が務めたニューシングル『タツオ…嫁を俺にくれ』をリリースする。そのプロモーションとしても、今回のスタンプは極めて効果的だったのではないだろうか。アーティストのSNSスタンプ活用の好例として、注目に値する事例と言えそうだ。
(文=本 手)