3Dモデルが簡単に作れる『Vカツ』、Steamで配信ーー“1億総Vtuber時代”は来るのか?
『Vカツ』が目指す一億Vtuberの時代
そんななかで登場した『Vカツ』は、冒頭で述べた通り、300種類以上のキャラクターパーツを自由に組み合わせて3Dキャラクターモデルを制作できるソフトだ。オンラインゲームのキャラクターメイキングと同じ感覚で作れるので、ハードルはずいぶん下がったように思える。加えて、「HTC Vive」「Oculus Rift」といったVRヘッドセットを使えば、手を伸ばしたり振り向いたりと、実際のモーションをキャラクターに反映することができる。簡単な機材さえ揃えれば、誰でもVTuberになることが可能だ。『Vカツ』のリリースに際してIVRは「1億総Vチューバーを目指しています」と表明しており、今後はVRゲーム作品だけでなくVTuber業界全体のバックアップを推し進めると予想される。
他にもVTuberを始めたいユーザーのアシストサービスは存在する。例えばドワンゴが手がける『バーチャルキャスト』は、VR空間上でキャラクターモデルを操作してライブ配信が楽しめるサービスだ。こちらも『Vカツ』と同じく、予め収録された3Dモデルが使えるので、一から自分で作業する必要はない。他のユーザーの生配信に飛び入りで参加する“凸機能”や、配信画面内に流れるリスナーのコメントを直接手で触り、ピックアップできる機能もある。VR空間ではあるものの、従来のニコニコ生放送のように配信者とリスナーが密接なコミュニケーションを取ることができる作りになっている。
ここで紹介した『バーチャルキャスト』はPC専用ソフトだが、スマートフォンアプリでも『ホロライブ』を始め、VTuber、並びに動画配信サービスは続々とリリースされている。ブログやSNSで多くの人が情報発信を行う時代から、誰もが自分の分身となる3Dキャラクターを持ち、匿名性を維持しながら動画配信を行える環境が着々と整いつつある。『Vカツ』が掲げる「1億総VTuber」時代は、夢物語ではなさそうだ。
■龍田優貴
ゲームの尻を追いかけまわすフリーライター。時代やテクノロジーと共に移り変わるゲームカルチャーに目が無い好事家。『アプリゲット』『財経新聞』などで執筆。
個人的なオールタイムベストゲームは「ファミコン探偵倶楽部」シリーズ。
Twitter:@yuki_365bit
■サービス名:
Vカツ
■対応VR機器:
HTC Vive、HTC VivePRO、Oculus Rift、Win MR
■スペック:
64 ビットプロセッサとオペレーティングシステムが必要
OS: Windows7 / 8.1 / 10 64bit
■プロセッサー:
Intel Core i5 4590
■メモリー
4 GB RAM
■グラフィック
NVIDIA GTX 970 or GTX 1060 or better
AMD R9 290 or better
DirectX: Version 11
ストレージ: 1 GB 利用可能
■配信・販売
STEAMにてSteam Early access 準備中(2018年8月1日公開予定)
https://store.steampowered.com/app/856620/V__VKatsu/
■公式サイト:http://vkatsu.jp/