「ゲームをめぐるエコシステムを作るために」AbemaTV ウルトラゲームスチャンネル・山内隆裕Pインタビュー
全ての人をウィン-ウィンの関係に
――一方で、吉本興業をはじめ、大手の芸能事務所がゲーム実況者やプロゲーマーの育成に乗り出している状況もあります。
山内:僕らもそうですが、eスポーツの市場が拡大していくなかで、ビジネスとして参入すべきだと考える企業は増えていくと思います。タレントのマネジメントにおいても、テレビ出演の売り上げというより、ネットの番組に出たり、配信の“投げ銭”だったり、ギフト課金だったり、そういう部分が伸びていくと考えていてので、それに対応できるプラットフォームを作るなど、ご一緒できるように準備は進めておきたいと思います。すでに、OPENREC.tvはスターダストさんの所属タレントで結成された「スタダGG! (スターダストゲームガールズ)」という チームとスポンサー契約を結んでいるのですが、、彼女たちを盛り上げられるような番組も制作していく予定です。
ーー話題の企画としては、「RAGE」のリーグ第2弾として、『ストリートファイターVアーケードエディション』(カプコン)を採用した、タイトル史上初のチーム戦で、賞金総額1000万円の『RAGE STREET FIGHTER V All-Star League powered by CAPCOM』も進行しています。梅原大吾(ウメハラ)選手、ときど選手をはじめ、かつて動画サイトで有料配信されていたレベルの試合が続いています。
山内:自信の企画です。カプコンさんとは密にコミュニケーションを取らせてもらっていますし、『ストリートファイターV』はeスポーツシーンでも大きなタイトルなので、うまくサポートしていきたいですね。成熟した格闘ゲームシーンでも、新たなスターを生み出していきたいですし、プレイヤーがいて、大会があって、配信プラットフォームがあって、というエコシステムを作っていきたいと考えています。僕らが担うのはプラットフォームの部分なので、画作りの面でも、選手をよりカッコよく見せて、スポンサーがつきやすくする、ということも意識したいです。
――ゲームファンとして期待のチャンネルですが、今後のロードマップとして、どんなことを考えていますか?
山内:短期的な目標としては、世の中にあるゲームを扱ったネットのコンテンツのなかで、一番見られる存在になる、ということを考えています。また長期的には、動画や放送を通じて、ゲーム周辺の経済圏が盛り上がったり、活性化したり、ということに貢献できるようになっていかなければならないだろうと。ゲームに関わる全ての人がウィン-ウィンの関係が築けるような環境を作っていきたいです。
――ちなみにですが、ご自身もかなりのゲーム好きだと聞きました。
山内:いや、大したものではないんですけど、小さい頃からずっとゲームばかりやっていましたね。母子家庭でずっと家にいたので、ジャンル問わず、多くのゲームを楽しんできました。最近だと、『モンスターハンター:ワールド』や『ゴッド・オブ・ウォー』などコンシューマーゲームもやっていますし、『シャドウバース』や『PUBG』などのオンライン対戦ゲームもプレイしています。頑張って時間を捻出しているので、社員に「目が真っ赤ですよ」なんて言われたり(笑)。
――トップの山内さんがそれだけのゲーマーであることが、メーカーやプレイヤーへのリスペクトを感じる番組編成につながっていそうです。
山内:いえいえ。ただ、そこは大事にしたいな、と思っています。ビジネス的に考えると、地上波でも成功しているゲーム番組はほとんどありませんし、投資が先行してなかなか難しいところもありますが、それこそAbemaTVが挑戦する理由でもあって。業界をさらに盛り上げられるように、頑張っていきたいと思います。
(取材・文=編集部)