仮想空間でのアバター交流は普及する? VRコミュニケーションの最前線に迫る

EmbodyMe

アバター:テンプレート型+ユーザー投稿写真を元にアバターを自動生成
トラッキング:Rift/Viveの基本機能に準拠
フィードバック:無し

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 EmbodyMeはOculusAvatarの発展型であり、ユーザーの投稿した顔写真を元に3Dアバターを自動生成する技術で注目を集めた。しかしながら、その後のユーザー数の推移から推測されるに、今のところは現実に忠実すぎるアバターよりは、自分の理想の姿のアバターでコミュニケーションできるサービスの方が求められているのかもしれない。

 その他にも多くのVRコミュニケーションサービスがあるが、基本的にはOculusやVIVEviveの標準機能であるヘッドトラッキング+ハンドトラッキングを軸にしたコミュケーションの枠にとどまっているので、差別化が難しいのが現状である。

 また、多くのSF映画に登場し、現在のVRコミュニケーションに不足しているのは、VR空間内の出来事を物理空間にフィードバックする機能である。4Dシアターなどで実装されている動く床をイメージすると分かりやすい。今年流行った映画『レディ・プレイヤー1』では、全身を覆うスーツの中にユーザーの動きをアバターに伝えるアップロードの機能と、アバターに起きた変化をユーザーに伝えるダウンロードの機能の両方が実装されていたが、残念ながら2018年現在ではそこまで進化したトラッキングスーツは市販されていない。

 アバターの高性能化とモーションキャプチャースーツの低価格化は今後も順調に進むことが予想されるので、今後はVR空間から現実空間へのフィードバック関連の技術のブレイクスルーがいつ起きるかが、コミュニケーションツールとしてのVRの普及の鍵となるだろう。

■VJyou
高校時代よりベーシストとしてバンド活動や作曲活動を開始。2006年、しばし滞在していたドイツで出会った光景をきっかけに、映像と照明を掛け合わせた空間演出家VJyouとして活動を開始。2008年にベルギーのArkaos社よりGrandVJ Artistとして登録されたのをきっかけに、アップルストアなどでVJセミナー講師も行うようになる。 「いつも歩く道からほんの少し違った世界」をテーマに、実写素材とプログラミング素材を掛け合わせたインタラクティブで有機的な表現を続けた結果、ダンスと画を融合させたLiveCinemaという作品作りを開始。2014年にはCID ユネスコ WORLD DANCE CONGRESS 2014 にてLiveCinema 『Awake』を上演するなど、国内外問わず精力的に活動を続けている。
http://vjyou.com/

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