『おっさんずラブ』なぜネットで盛り上がった? キーワードは“二次創作の許容”

 アニメに比べると生身の俳優が出演しているがゆえに権利の処理が難しい実写映像において、二次創作的消費を推進するネットでの消費展開は中々足並みが揃わず、今もうまくいっているとは言い難い。

 また、二次創作は作品を盛り上げることができるが、ネガティブな反応が広がることもある。そのため多くの作り手は黙認している。ただ映像や画像の無断掲載に対しては厳しいが、イラストのような二次創作は許容されつつある。これは文章による批評においても同様だ。もちろん勝手なことを言われては困るという作り手も少なくないし、批判的な意見は認めないという人も多い。

 そんな中、朝ドラ、『おっさんずラブ』、あるいは『HiGH&LOW』は、批評も含めたツッコミ目線による視聴者の二次創作を許容する度量の大きさがあったからこそ、熱狂的なファンを生み出しコミュニティ化に成功した。

 批評も含めたファンの二次創作による参加をどこまで許容するのか? テレビドラマがネットを使う際の成否はすべてここにかかっていると言っていいだろう。

■成馬零一
76年生まれ。ライター、ドラマ評論家。ドラマ評を中心に雑誌、ウェブ等で幅広く執筆。単著に『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ!』(宝島社新書)、『キャラクタードラマの誕生:テレビドラマを更新する6人の脚本家』(河出書房新社)がある。

■リリース情報
『おっさんずラブ』
10月5日(金)Blu-ray&DVD発売、レンタル全4巻同時リリース

<Blu-ray>
価格:21,600円+税
<仕様>2018年/日本/カラー/本編+特典映像&音声特典(収録分数未定)/16:9LB/1層/音声:リニアPCM2chステレオ/字幕:なし/全7話/5枚組(本編Disc4枚+特典Disc1枚)

<DVD>
価格:17,100円+税
【仕様】2018年/日本/カラー/本編+特典映像&音声特典(収録分数未定)/16:9LB/片面1層/音声:ドルビーデジタル2.0chステレオ/字幕:なし/全7話/5枚組(本編Disc4枚+特典Disc1枚)
※仕様は変更となる場合がございます。

【特典映像】
★おっさんずラブ2016
★記者会見
★PRスポット集ほか(予定)

【音声特典】
出演者による本編副音声を収録!
#2…田中圭×林遣都
#6…田中圭×内田理央×瑠東東一郎×Yuki Saito
※収録内容は変更となる場合がございます。

出演:田中圭、林遣都、内田理央、金子大地、伊藤修子、児嶋一哉、眞島秀和、大塚寧々、吉田鋼太郎
脚本:徳尾浩司
音楽:河野伸
演出:瑠東東一郎、山本大輔、Yuki Saito
主題歌:スキマスイッチ『Revival』(ユニバーサル ミュージック)
ゼネラルプロデューサー:三輪祐見子(テレビ朝日)
プロデューサー:貴島彩理(テレビ朝日)、神馬由季(アズバーズ)、松野千鶴子(アズバーズ)
制作著作:テレビ朝日
制作協力:アズバーズ
発売元:株式会社テレビ朝日
販売元:TCエンタテインメント
(c)2018 テレビ朝日

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