いつでもどこでもレコーディングが可能に! マルチトラックレコーダー「Spire Studio」の斬新さ

 iZotope社が、音楽レコーディング用のハードウェア製品「Spire Studio」を発表。2017年にアメリカで発売され、新しい音楽製作環境を提供する製品として大きな話題となっていたが、このほど日本での販売が決定した。

Spire Studio: だれでも簡単にスタジオレコーディングのクオリティを楽しめるポータブルレコーダー

 「Spire Studio」は、Wi-Fi接続のオーディオインターフェイスと、スタンドアローンで動作する最大8チャンネルのマルチトラックレコーダー、両方を兼ね備えた画期的なデバイスだ。iOS専用アプリ「Spire Music Recorder」をつなぐと、音声編集やミックスができたり、本体内蔵以外のエフェクトを追加することができる。また、SNSへのシェアや、PCソフトへデータをインポートすることも可能だ。本体には高品質なコンデンサーマイクを内蔵しており、録音ボタンを押せば、すぐにレコーディングを開始できる。最大で4時間連続使用可能なリチウムイオン充電池により、屋内屋外を問わず、「Spire Studio」があれば誰にでも簡単にポータブルなレコーディング環境を手に入れることができる。

「Spire Studio」

 アナログからデジタルへと向かっていたマルチトラックレコーダーの進化。「Spire Studio」の登場が、新しい分岐点となるかもしれない。もちろん、エポックメイキングとなったコンシューマ向けのマルチトラックレコーダーはこれまでも多々あった。

 例えば1984年、ティアックからTASCAMブランドで発売された「PORTA ONE」は、カセットテープを録音媒体にした4トラックのマルチトラックレコーダーだ。これまでに比べ低価格な製品として、多くのアマチュアミュージシャンに受け入れられた。トラック数が足りなくなれば、“ピンポン録音”するのが当時の常識だった。

 また1988年、音源とMIDIインターフェイス、PCソフトを同梱した「ミュージくん」が、また翌年には上位シリーズである「ミュージ郎」がRolandから登場した。DTMという言葉が定着したのはこの頃だ。1996年、同じくRolandから多重録音を可能としたハードディスクレコーダー「VS-880」が発売された。オーディオの完全非破壊編集、デジタルミキサーやデジタルエフェクトを内蔵したスペック。自宅でも安価にCDクオリティのレコーディングが可能となった。

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