音楽制作ツール BLOCKS、ポータブルシンセ OP-1…曲作りに使えそうなガジェット楽器3選

R2M

 そして最後に紹介するのが、アナログモジュラーシンセサイザーを数多く開発し、世界中のシンセ好きに愛されているドイツのメーカー・DOEPFER MUSIK ELEKTRONIKから登場した、MIDIリボンコントローラー、R2M。リボンコントローラーとは、シンセサイザーを演奏するためのコントローラーの一種で、細長いリボン上の任意の場所を指で押さえて演奏する。指をスライドさせたり、小刻みに揺らしたりすることで、ポルタメントやビブラートといった効果を生み出すのが特徴だ。

 R2Mは、リボンコントローラーとコントロールボックスにより構成されている。長さ50センチの棒状のリボンコントローラーを指で触れると、その位置や圧力を電圧に変換し、たコントロールボックスに送信することによって音が出る仕組みだ。

 指の位置で音程が変わるので、例えばバイオリンのように滑らかにピッチが変化する演奏表現ができる。また、12音階をアサインして演奏したり、メジャースケール、マイナースケールなど、楽曲に合わせてスケールをクオンタイズしたりできるので、あらかじめ考えたコード進行の上で、直感的に指を動かしながら即興でフレーズを組み立てていくことも可能だ。

 以上、3つのガジェット楽器を紹介した。スマホが普及し、誰もが簡単に写真を撮影・加工できるようになって、新しい写真表現が次々と誕生したように、ガジェット楽器を遊びながら操作しているうちに、これまで想像もつかなかったよううな、新しい楽曲が生まれるかもしれない。

■黒田隆憲
ライター、カメラマン、DJ。90年代後半にロックバンドCOKEBERRYでメジャー・デビュー。山下達郎の『サンデー・ソングブック』で紹介され話題に。ライターとしては、スタジオワークの経験を活かし、楽器や機材に精通した文章に定評がある。2013年には、世界で唯一の「マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン公認カメラマン」として世界各地で撮影をおこなった。主な共著に『シューゲイザー・ディスクガイド』『ビートルズの遺伝子ディスクガイド』、著著に『プライベート・スタジオ作曲術』『マイ・ブラッディ・ヴァレンタインこそはすべて』『メロディがひらめくとき』など。

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