Clusterの記事・ニュース・画像一覧

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タンジェリン・ドリーム、アシュ・ラ・テンペル、グル・グルなどと並び称される、70年代クラウト・ロックを代表するグループのひとつ。メンバーは、ハンス・ヨアヒム・ローデリウスとディター・メビウス。シンセの音色で究極的な音響抽象画を実現させた、現代テクノの教祖である。
『Cluster 71』(71年)、『Zuckerzeit』(74年)、『Sowiesoso』(76年)、ブライアン・イーノとのコラボレーションによる『Cluster & Eno』(77年)といった傑作群。これらの叙情性溢れる抽象的かつミニマルな催眠効果抜群のヒーリング・サウンドは、アンビエント/音響の基礎となり、後にアンビエント・ミュージックを提唱したイーノの活躍に先鞭をつけた。つまり、真のアンビエント・オリジネイターは、クラスターなのである。——81年に活動を停止したが、94年に復活。96年には来日を果たし、巨大なサウンド・システムから発せられているとは思えないほど微量な音の粒子で、聴衆を幻惑させた。
また、タンジェリン・ドリームのオリジナル・メンバーであり、クラスターがKlusterと名乗っていた初期に参加していた元リーダー、コンラッド・シュニッツラーは脱退後、ソロ活動に移行し、ユーモラスかつドリーミーな脱力系音響彫刻をアグレッシヴに呈示し続けた。というわけで、これらすべての始祖であるシュニッツラーがもっとも偉大であることが判明。そして、クラスターの成功は、アイディアを豊富に携えながらも楽器が全く弾けなかったことによる葛藤と試行錯誤の結果だったのだ。