『風、薫る』“環”瀧七海が今後のキーマンに? 再登場の“シマケン”佐野晶哉と新展開へ
NHK連続テレビ小説『風、薫る』第23週のタイトル「歩々清風」は、一つひとつの歩みの中に清らかな風が起こるという意味を持つ。第114話で、断酒できず体にガタがきている平蔵(太田光)に直美(上坂樹里)が言った「一歩ずつ」という希望の言葉や、第115話で貧困を救う根本的な解決にはならないが恵風看護婦会にセツ(村上穂乃佳)を迎え入れることを決めた直美の「ほんの小さなことだとしても、今やれることはやる」という寛太(藤原季節)に言った一言が、その象徴だ。
第11週「凪にそよぐ」以来、およそ3カ月ぶりに再登場を果たしたセツ。退院した後、しばらくは好きに生きられたものの、漁師町の炊き出し、製糸工場、旅館の女中、と仕事は続かず、女郎屋の門を叩こうとしていたところで寛太に拾われた。助けられた恩を仇で返すような仕事をしていることに罪悪感を抱き、患者を目の前にして看護を“怖い仕事”と知ったセツ。「ここで一緒に働きませんか?」と直美に引き止められ、一度は断るものの、しのぶ(木越明)の後押しもあり、セツは恵風看護婦会で働くことを決めた。
何もできないところから養成所での血の滲む思いを経て自分の道を選び、今の直美とりんがある。そのことを一番近くで見てきたしのぶは、いろいろと言いたい本心を飲み込んで、「もったいない」とセツに告げる。しのぶも出産を機に看護の道から外れていたが、子育てをしながら精力的に働くりんや直美の姿に感化され、再び恵風看護婦会に戻ることを決めている。「どんな女でも生きてればいろいろある。けど、それをはねっ返さなきゃいつまでたっても女の立つ瀬がないじゃない」という言葉は、これまで様々な苦難を乗り超えてきたしのぶの強さと思いやりが滲んでいる。事務作業や字の読み書きを習いながら、徐々に緊張が解けていくセツ。直美に対して敬語とフランクな口調が混じっているのが印象的だ。
第115話のラスト2分で、島田(佐野晶哉)が再登場を果たす。失踪した兄の借金を肩代わりするため、浜松の実家へ帰った島田だったが、甥の文史朗(蒼井旬)とともに東京へと戻ってきた。田之上屋で島田を見かけた環(瀧七海)が島田を恵風看護婦会に引き連れ、りんと島田は数年ぶりの再会となる。
ここでキーマンになりそうなのが、第24週のタイトルにもなっている環だ。女学校に入学後、将来のことについて悩んでいる環が、興味を持っているのが絵である。環にとって島田は“家族”であり、父親代わりの人。一目では判断がつかないほどの髭面となった亀吉(三浦貴大)の姿に驚きつつも、真風(研ナオコ)の「絵は人となりを映す」が残り3週となった『風、薫る』の今後を占うヒントとなりそうだ。
■放送情報
2026年度前期 NHK連続テレビ小説『風、薫る』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜~金曜12:45~13:00再放送
NHK BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
NHK BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:見上愛、上坂樹里
脚本:吉澤智子
原案:田中ひかる『明治のナイチンゲール 大関和物語』
制作統括:松園武大
プロデューサー:川口俊介
演出:佐々木善春、橋本万葉ほか
写真提供=NHK