『ブルーロック』“凪”&TEAM Kがハマり役 アニメファンも驚いた“力の抜けた”天才像
8月7日より公開された実写映画『ブルーロック』。高橋文哉演じる潔世一を筆頭に、櫻井海音の蜂楽廻、高橋恭平の千切豹馬、野村康太の國神錬介、綱啓永の御影玲王と、原作でおなじみの選手たちを実力派俳優陣が演じている。
そのなかで、もっとも再現度に驚かされたのが、&TEAMのKが演じる凪誠士郎だった。
あらかじめ断っておくと、筆者は本作を観るまでKについてほとんど知らなかった。ただ、『ブルーロック』のアニメシリーズを追っていただけに、凪というキャラクターを実写でどう成立させるのかは気がかりでもあった。トラップひとつで局面をひっくり返すプレーは、“天才”だからこそ成立する神業だ。実写にした途端、どこか嘘っぽく見えてしまうのではないか。そんな懸念があったからだ。
ところが、実際に観てみると、その印象は大きく覆された。SNSでも、筆者と同じようにKをこれまで詳しく知らなかった人から、凪役の再現度に驚く声を少なからず目にした。白髪にすらりとした長身、気だるげな表情。そして、ピッチに立ったときの身体の動き。ビジュアルもさることながら、動いてなお凪に見える。本作の選手キャストにおける“再現度MVP”は、Kなのではないだろうか。
凪誠士郎は、サッカー歴わずか半年ながら桁外れのセンスを持つ天才FWだ。同じ高校に通う御影玲王に才能を見出され、誘われるままにボールを蹴り始めた。天性の身体能力に加え、最大の武器はボールの勢いを自在に殺し、次のプレーへつなげる圧倒的なトラップ力。空中の難しいボールさえ難なく収め、背中でボールを止める“背中トラップ”をはじめ、常人には真似できないプレーを次々と繰り出す。一方で、口癖は「めんどくさい」。何事にも気だるげで、当初はサッカーに対してさえ強い執着を持っていない。
まず説得力を生んでいるのは、K自身の体格である。186cmを超える長身と長い手足は、原作で190cmと設定された凪と相性がいい。白髪やユニフォームといった外見の再現に加え、ほかの選手と並んだときのシルエットそのものから“凪らしさ”が伝わってくる。そして、Kの身体が動き始めると、その説得力はさらに増していく。
小学生のときに5年間サッカーをやっていたといい、さらに高校時代は駅伝の強豪校に所属していた経歴のあるK。インタビューでは、凪の走り方について、前傾姿勢になりがちなサッカー選手とは異なる、身体能力の高い人間ならではのフォームだと分析し、その表現には自身の陸上経験が生きたと明かしている(※)。走るときの姿勢、ぶれない身体の軸、跳んだときのフォーム。競技で積み重ねてきた身体の使い方が、そのまま画になっている。
凪の代名詞ともいえる背中トラップも、サッカー監修を務めた元日本代表・松井大輔の指導を受け、繰り返し練習して本番に臨んだそうだ。さらに、両利きの凪に寄せるため、右利きの本人は撮影期間中、意識して左足でボールに触るようにしていたという。画面上ではこともなげに見えるプレーの裏側に、そうした積み重ねがあるのだろう。