“メロい”はいつから使われるようになった? 松下洸平、寺西拓人など“メロ俳優”から考察

「メロい」は「リアコ」の派生?

 ちなみに「メロい」は女性にも使われる。独断と偏見で選ぶ女性の「メロい」の筆頭担い手は、GLドラマ『彩香ちゃんは弘子先輩に恋してる』シリーズ(MBS)で一躍人気となった森カンナだ。『あやひろ』の弘子先輩を皮切りに、『まどか26歳、研修医やってます!』(TBS系)の真奈美先生も、『多すぎる恋と殺人』(日本テレビ系)の谷崎真奈美も、いわゆる「メロい」キャラクターだと思う。彼女たちに共通して感じるのは、誰かの評価に振り回されず、自分の軸で生きる人ならではのしなやかさ。その自然体の余裕がふと揺らいだ瞬間、最大級の「メロい」が我々に襲いかかるのだ。

 さて、ここまで考えてみると、「メロい」は「リアコ」と近しいのではないかと思えてきた。「リアコ」とは「リアルに恋している」を指す言葉だが、アイドルや俳優への褒め言葉として使う場合は、「手の届かない存在であるはずなのに、なぜか近くにいそうな生々しさ(色気)がある」という意味になる。

 一方で「メロい」には、さらに「こんなに好きになるつもりじゃなかったのにメロメロになってしまった」「好きになりすぎてしんどい」というような“抗えなさ”を感じる。つまり「メロい」とは、相手の魅力に屈してしまいそうな自分の精神状態をも含んでいるのではないか。だからこそ、犬猫などのペットに対して「メロい」はあまり使われないのだと思う。動物のかわいさは万国共通で、「好きになってしまった」という葛藤が発生しないからだ。

『銀河の一票』©︎カンテレ

 その文脈で言うと、やはり『銀河の一票』(カンテレ・フジテレビ系)の松下洸平演じる日山流星は「メロい」に該当するのではないだろうか。連立与党からの推薦を受け、満を持して都知事選に出馬。茉莉(黒木華)とあかり(野呂佳代)の最大のライバルであり、物語上はヒール的な役割を担っていたにもかかわらず、これまで松下がさまざまな作品で積み重ねてきた“信頼”も相まって、一口には嫌いになれないキャラクターだった。むしろ、回を重ねるごとに惹かれてしまう! 最終回の演説では、彼もまた彼なりの「綺麗事じゃなくて、きれいなこと」を実現しようとしていたことが明らかになり、思わず胸を打たれた。この複雑な気持ちを一言で表すならば、やはり「メロい」に尽きる!

『ラストノート』ポスタービジュアル ©︎フジテレビ

 さて、いよいよ始まる2026年夏ドラマにおいて、「メロい」第一候補は、内田有紀とtimeleszの寺西拓人がダブル主演を務める『ラストノート』(フジテレビ系)になりそうだ。はたして私は、この夏で「メロい」の正体を掴めるだろうか。いや、理解しきれなくても構わない。既存の言葉には収まりきらない思いの丈を「メロい」に託そうじゃないか。

関連記事