中島健人、山田涼介、宮舘涼太はなぜ人を惹きつける? 出演作から紐解く“ロイヤル”な魅力

山田涼介の主演俳優としての求心力

『一次元の挿し木』©読売テレビ

 画面の中心がだれよりも似合うのが、山田涼介だ。

 10年ぶりの出演となった学園ドラマ『ビリオン×スクール』(フジテレビ系)で演じた加賀美零は、表の顔は高校教師、裏の顔は日本を代表する財閥系グループのCEO。かなり強烈な設定で、一歩間違えれば現実味がなくなる危険もある。

 しかし山田は、加賀美の特別さを無理に普通へ寄せない。むしろ、突拍子もない彼が生徒と関わる中での変化を少しずつ表すことで視線を引きつける。第1話の冒頭、いきなりゴーグルをつけて1人でダンスを踊っていた加賀美の姿は、このシーンだけでも彼の性格や立ち位置をはっきりと伝えていた。

 山田のすごさは、完璧に見える役を、ただの完璧な人で終わらせないところにある。きれいな見た目、強い立場、自信のある態度。それらを役に含めたまま、どこか不器用で、私たちが少し共感できるような余白を残すのだ。

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 『王様に捧ぐ薬指』(TBS系)の新田東郷もそうだった。東郷は大企業の御曹司で、絶対的な権力を持つワンマンタイプ。周囲から「王様」と呼ばれる、まさに“ロイヤル”な役だった。

 けれど東郷は物語の中で人間らしい悩みに立ち向かい、人と徐々に距離を縮めていく。東郷が契約結婚をしている羽田綾華を同居に誘ったり、恋人らしい振る舞いを命じたり、そんな姿を見せるのだ。

『一次元の挿し木』©読売テレビ

 7月5日よりスタートする『一次元の挿し木』では、山田はまた違う役に向かう。演じる主人公・七瀬悠は、4年前の豪雨で行方不明になった義理の妹・紫陽の生存を信じている大学院生。遺伝子学を研究しており、ヒマラヤで発掘された200年前の人骨をDNA鑑定したところ紫陽と完全に一致し、奇妙な謎に巻き込まれていく。

 この七瀬には、『ビリオン×スクール』のような派手な肩書きも『王様に捧ぐ薬指』のような御曹司感もない。だからこそ、この作品で山田がどんなふうに輝くのかが気になる。

 山田涼介のロイヤルは、肩書きに頼らない。CEOでも、御曹司でも、研究者でも、彼が画面に入ると、視線の置き場が自然と決まる。その求心力が、山田の強さなのだと思う。

「ロイヤル」な彼らの現在地

 3人を並べて見ると、「ロイヤル系」と一言で言っても、まったく同じではないことがわかる。

 宮舘涼太は、静かな時間で引きつける。感情を全部見せないから、もっと知りたくなる。中島健人は明るさで場所を照らし、人を包み込む。どの役柄にも、その輝きをなじませて発揮する。山田涼介は、一見浮世離れした人物の中の私たちと同じ寂しさや真面目さを描きながら、画面の中心を作る。

 アイドルとして長く見られてきた人たちは、ただ演技をするだけではなく、「人からどう見られるか」と向き合ってきた人たちでもある。きれいに見える角度、空気の作り方、少し特別に見せる力。それはドラマの中でも大きな武器になる。

 “ロイヤル”とは遠くにいる王子様のことではなく、画面の中にいるだけで、こちらの気持ちに触れてくる人のことなのかもしれない。2026年のドラマで見えるのは、高貴なイメージだけでは語りきれない俳優たちの現在地だ。

■放送情報
ドラマ10『コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店』
NHK総合にて、毎週火曜22:00~22:45放送(全10回)
※毎週木曜24:35~25:20再放送
NHK ONE(新NHKプラス)で同時・見逃し配信予定
出演:中島健人、田中麗奈、鈴木福、嵐莉菜、馬場徹、齋藤潤、泉澤祐希、曽田陵介、どくさいスイッチ企画、ジョージアナ・ジェッテ、田中偉登、石川恋、仲島有彩、松金よね子、大島蓉子、街田しおん、光石研、萬田久子、中原丈雄、柄本明、舘ひろしほか
原作:町田そのこ
脚本:根本ノンジ
主題歌:藤井フミヤ「ココロ」(作詞:藤井フミヤ、作曲・編曲:大島賢治、ホーンアレンジ:竹上良成)
音楽:R・O・N、川田瑠夏
制作統括:山本敏彦(NHKエンタープライズ)、石澤かおる(NHK)
プロデューサー:室谷拡(NHKエンタープライズ)
演出:木村隆文、野口雄大、岡野宏信(NHKエンタープライズ)
写真提供=NHK

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