『魔女の宅急便』キキ&トンボは“『名探偵コナン』コンビ” 知ると見方が変わる小ネタ5選
“宅急便”表記に隠れたヤマト運輸との関係
タイトルにも、意外な小ネタがある。実は『魔女の宅急便』の「宅急便」は一般名詞ではなく、ヤマト運輸が提供する宅配便サービスの名称で、ヤマトホールディングスの登録商標にあたる。荷物を届けるサービス全般を指すなら「宅配便」が一般的で、「宅急便」はあくまでヤマト運輸のサービス名なのだ。
映画化にあたっては、「宅急便」がヤマト運輸の登録商標であることから、同社との調整も行われた。結果として、公開当時のヤマト運輸は徳間書店、日本テレビ放送網と共同提携で本作の製作に参加している。キキの相棒は黒猫のジジで、一方のヤマト運輸といえば「クロネコ」のマーク。こうして「宅急便」と「黒猫」という組み合わせは、作品の外側でも強く印象づけられることになった。(※2)
背景に走る“ジブリ”の遊び心
画面の中にも、見返したくなる遊び心が潜んでいる。キキがコリコの街に到着した直後、交通量の多さに戸惑い、バスと接触しそうになる場面では、その車体に「STUDIO GHIBLI」の文字が。トンボとの出会いへとつながる印象的なシーンだが、背景に目を凝らすと異国情緒のあるコリコの街をさりげない遊び心が走り抜けていくことがわかる。
ちなみに、作中のあるシーンには『となりのトトロ』のトトロを思わせるぬいぐるみも登場する。物語を追うだけでなく、背景や小物に込められた遊び心にも目を凝らしてみたい。
ウルスラのアトリエにある絵は実在する?
キキが森で出会う画家の少女・ウルスラ。彼女のアトリエに置かれた印象的な絵にも、実はモデルが存在する。劇中の絵は、八戸市立湊中学校養護学級の共同制作版画「星空をペガサスと牛が飛んでいく」をもとに描かれたものだ(※3)。
この絵は、キキが森でウルスラと出会い、彼女のアトリエを訪れる場面で印象的に映し出される。さらに、魔法の力が弱まったキキが再びウルスラのもとを訪れる場面では、ウルスラが絵を描くことになぞらえながら、描けなくなる時期があるのだと語る。
幾度となく観てきた人も多いかもしれない本作だが、背景の片隅や声の演じ分け、小物にまで目を向けると、思わぬ発見があるのがジブリだ。今夜の『魔女の宅急便』もまた、いつもとは少し違う表情で楽しませてくれそうだ。
参照
※1. https://kinro.ntv.co.jp/article/detail/202003majyo2
※2. https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2203/31/news157.html
※3. https://x.com/hachinohe_art_m/status/1243445290209644544?s=20
■放送情報
『魔女の宅急便』
日本テレビ系にて、5月8日(金)21:00〜23:09放送 ※ノーカット
原作:角野栄子
プロデューサー・脚本・監督:宮﨑駿
音楽:久石譲
出演:高山みなみ、佐久間レイ、山口勝平、加藤治子、戸田恵子ほか
©1989 Eiko Kadono/Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, N