秋田汐梨×池田匡志『share』は必見の一作! “繊細さと美しさ”宿るラブストーリーの魅力

秋田汐梨×池田匡志『share』は必見の一作!

応援せずにはいられない、秋田汐梨演じるはる

 はるが理央を好きになるのもごく自然な流れだった。しかし、理央の恋愛対象は男性なのだ。そのため、「男として好きにならない」という条件付きで理央と同じ部屋に住まわせてもらうことになったはるだが、あえなく約束を破ってしまう。はるも最初は自分の気持ちを認めたくなかった。なぜなら彼女は過去にも一度、不毛な恋を経験しているから。

 初恋の人が自身の母と再婚し、その頃からうまく笑えなくなってしまったはる。理央との生活で少しずつ明るさを取り戻していくが、それと引き換えに再び叶わない恋の苦しみを味わうという、客観的に見ても辛い状況である。彼女がすごいのは、それでも自分の気持ちよりも相手の気持ちを優先するところ。若い頃は往々にして多感で、相手のことも考えずに「好き」という気持ちだけで突っ走りがちだ。だけど、はるは相手のために押し黙ることができる。切ないほどに優しくて、大人。それとともに高校生ならではのまっすぐさと純真さを、絶妙なバランスで成り立たせているのが、若手実力派俳優として注目されている秋田汐梨だ。

 映画『惡の華』や『3年C組は不倫してます。』(日本テレビ系)では二面性を持つ役どころでアクの強い演技を見せていた秋田だが、今回は印象が大きく異なる。一生分とも言える懸命な恋でたくさん傷つき、涙するたびに輝きを増していく等身大の10代を瑞々しい演技で体現しており、応援せずにはいられない。

“幸福な実写化”と呼びたくなる理由

 ほかにも2人が暮らすシェアハウスの住人で、一見クールだけど面倒見のいいお姉さん・寧々(寺本莉緒)や誰よりも周りが見えている脚本家志望の大学生・徹(草川直弥)、はるに想いを寄せる純粋な高校生・和哉(藤本洸大)、人間味溢れる理央のセフレ・岩倉(水石亜飛夢)など、愛さずにはいられないキャラクターが多数登場する。第3話以降に登場するキャラクターで、注目すべきは理央の叔父である明日記(山中聡)だろう。病の中でも愛する人とともに生きる彼の存在は、物語のテーマ性を深めているように思う。私たちは生まれるときも死ぬときも一人だが、それでも他者と交わり、誰かを大切に想ってしまう生き物だ。その想いが一方通行で終わることもあれば、互いに想い合っていても離れ離れになることや、死によって分たれることもある。早いか遅いかの違いはあっても、必ずどこかでは傷つく。でも、後に残るものはあって、誰かを大切に想うことは尊いのだと教えてくれるのがこの作品だ。

 原作の持つガラス細工のような繊細さと美しさが損なわれることなく映像へと落とし込まれているとともに、生身の人間が演じることで温もりと切なさがさらに増している。これほどまでに幸福な実写化があるだろうか。原作者の三つ葉も、「大切なものがいつまでも胸にキラキラと残る…そんな作品です…!」(※)と太鼓判を押すドラマ『share』。ぜひともその煌めきを胸に抱いてほしい。

参照
https://realsound.jp/movie/2026/04/post-2372267.html

■放送・配信情報
『share』
フジテレビ(関東ローカル)にて、毎週月曜25:00〜25:30放送
FODにて、独占見放題配信
出演:秋田汐梨、池田匡志、寺本莉緒、草川直弥、藤本洸大、秋谷百音、矢野ななか、水石亜飛夢、笠谷朗、内田周作、白戸達也、雛形あきこ、山中聡
原作:三つ葉優雨『share』(小学館『ベツコミフラワーコミックス』刊)
監督:加藤綾佳(1話・2話、4話~8話)、工藤渉(3話)
脚本:加藤綾佳
音楽:西村大介/DUNK
主題歌:the Indigo「BLUE」(作詞:田岡美樹、作曲:市川裕一)
制作プロダクション: ヒューマックスエンタテインメント
製作:NBCユニバーサル・エンターテイメント
©三つ葉優雨/小学館/NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
公式サイト:https://www.nbcuni.co.jp/jcon/share/
公式X(旧Twitter):@drama_share_tv
公式Instagram:@drama_share_tv
公式TikTok:@drama_share_tv

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