キム・ヘヨン監督が『大丈夫、大丈夫、大丈夫!』に込めた人間愛 日本映画からの影響も

「前向きに考えることはコスパがいい」

ーー監督は是枝裕和監督の『誰も知らない』がお好きだそうですね。日本映画から受けた影響も大きいのでしょうか?
キム・ヘヨン:とても大きいです。初めて『誰も知らない』を観たとき、その静かで穏やかな佇まいの中に、あまりにも衝撃的なストーリーが流れていることに驚きました。是枝監督はどうしてこれほどまでに、隣で見守ってきた人のように細やかに人間を観察し、描くことができるのだろうと。
ーーそれがきっかけで日本に興味を持たれたとか。
キム・ヘヨン:はい。実はあまりに感銘を受けて、日本への留学を準備していた時期があったんです。日本語学校へ送る手紙に『誰も知らない』のポスターを印刷して貼り付けて、「この映画を観て感動しました。だから日本で勉強したいんです」と書いたくらいです(笑)。日常の中にある平凡な人々の話を、人々に響く形で作りたいという私の目標は、間違いなく日本映画から学んだものです。
ーー「大丈夫」という言葉が3回続く、本作のタイトルも非常に印象的です。映画を拝見して、今の時代にこそ必要なメッセージだと感じました。
キム・ヘヨン:ありがとうございます。タイトルは、観客の皆さんに、シンプルに「気分が良くなってほしい」という思いを込めました。私自身、辛い時期に苛立ったり抱え込んだりしても、状況は一向に良くならなかったことがありました。でも「早く時が過ぎればいいな」と前向きに受け流すように努めると、不思議と状況も好転していったんです。
ーー監督の経験則なのですね。
キム・ヘヨン:私は冗談めかして「前向きに考えることはコスパ(コストパフォーマンス)がいい」と言っているんです(笑)。エネルギーを悪い方向に使うより、いい方向に使ったほうが人生は豊かになりますから。
ーー劇中の想像シーンではホラーやファンタジーの要素もあり、監督の多才さを感じました。
キム・ヘヨン:あのシーンはイニョンの若々しい感性を表現したかったんです。現場ではスタッフに「私はこんなジャンルも撮れるんだよ!」とアピールしていましたが、そう言っていただけて本当に嬉しいです。これからも、私たちの身近にいる平凡な人々の物語を、大切に撮り続けていきたいです。
■公開情報
『大丈夫、大丈夫、大丈夫!』
全国公開中
出演:イ・レ、チン・ソヨン、チョン・スビン、イ・ジョンハ、ソン・ソック
監督:キム・ヘヨン
提供:KDDI
配給:日活/KDDI
2023年/韓国/カラー/スコープ/5.1ch/102分/字幕翻訳:根本理恵/英題:It's Okay!
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