興収で読む北米映画トレンド
スーパーボウルの週末、北米映画館で異色作台頭 Stray Kidsのコンサート映画も初登場No.4

2026年2月8日(日曜日)は、アメリカの“スポーツの祭典”こと第60回スーパーボウルの開催日。全米の視聴者がテレビに釘付けとなる週末は、例年、映画館から客足が遠のくことで知られている。おまけに東海岸や中西部では気温が著しく下がり、外出のハードルはさらに上がっていた。
北米映画市場の週末興行成績(2月6~8日)は累計6160万ドル。記録的寒波が全米を襲った2週間前の週末が5510万ドルだったから、かなり厳しい数字と言って差し支えない。もっともスーパーボウルの週末は、映画スタジオ各社が話題作の公開を控え、来たる話題作のプロモーションに集中するものだ。それにスーパーボウルの週末としても、「6160万ドル」という数字は過去最低ではない。
週末ランキングの第1位は、前週に続きサム・ライミ監督『HELP/復讐島』。週末3日間で1000万ドルを稼ぎ出し(数字は速報値のため、確定段階でもう少し下がるとも予測されている)、公開後10日間の北米興収は3583万ドル、世界興収は5373万ドルとなった。

ホラージャンルは2週目に数字が急落する傾向もあるが、本作は前週比マイナス47.7%とかなり堅調。口コミ効果が奏功したとみられる。製作費は4000万ドルのため、この調子がしばらく続けば20世紀スタジオ/ディズニーにとっても理想的だろう。
第3位は、YouTuber・マークプライヤーの主演・監督作品『Iron Lung(原題)』。週末興収は600万ドル、ホラー映画かつファン中心の興行ゆえ前週比マイナス66.3%という急落となった。もっとも公開後10日間の北米興収は3080万ドルだから、製作費わずか300万ドルの自主制作映画としては大勝利である。

話題の新作不在となった今週は、ランキングの上位に変わり種の作品がランクインしていることが大きな特徴。第2位に初登場した『Solo Mio(原題)』は、『サウンド・オブ・フリーダム』(2023年)や『キング・オブ・キングス』(3月27日公開)を手がける映画会社Angelによる初のロマンティックコメディだ。
本作は北米3052館で週末興収720万ドルを記録。イタリアでの結婚式を夢見ていた男が、よりによって式の最中に新婦に別れを告げられ、ひとりきりで予定通りの新婚旅行に出かける物語だ。Rotten Tomatoesでは批評家スコア76%・観客スコア96%、映画館の出口調査に基づくCinemaScoreでは「A-」とかなりの高評価を受けている。
いまやロマンティックコメディは劇場興行が最も苦戦しやすいジャンルのひとつだが、Angelはスーパーボウルという“狭間の時期”を狙ったことで成功を収めた。観客の比率は男性38%・女性62%と女性が多く、年代別では45歳以上が全体の6割を占めている。日本公開は未定。





















