『DREAM STAGE』中村倫也に叱られたい人続出? 厳しさと人間味が共存する令和の指導者像

『DREAM STAGE』中村倫也に叱られたい人続出?

 NAZEのメンバーにも、水星と同じようにもがく存在がいた。ライバルグループ・TORINNER(トリナー)の圧倒的センターであるリョウ(岩瀬洋志)を兄に持つユウヤだ。NOSUKEはユウヤに対して「体力なさすぎ、下手くそすぎ」「兄弟で随分と違うんだな」と言い放ち、徹底的に現実を突きつける。反発がエネルギーになるならそれでいい。悔しさが成長の糧になるなら、喜んで嫌われ者になる。「なんでできないんだよ」「もう1回いくぞ」。その執拗なほどの指摘は、それだけ「本気で見ている」という覚悟の表れだ。

 水星とユウヤが最初に乗り越えるべきものは、自分で作り上げた限界だったのかもしれない。かつて他人の言葉によって失ってしまった自信。眩しすぎる存在の隣で見えなくなってしまった、自分なりの価値。「自分なんて」と俯いてしまった視線を前へと向けるのは、ほかでもない自分自身だ。吾妻もNOSUKEも、そのきっかけを差し出しているにすぎないのだと、わかっているのだろう。

 決してスマートではない、水星とNAZEの努力。だが、この泥臭さこそが彼らの最大の武器になる。吾妻はそのひたむきさを映像に収め、TGCのステージ出演交渉へと乗り込んだ。その着想の源が、水星が長年書き溜めてきたマネジメントノートにあったというのも、また胸を打つ展開だ。

 「あんたは、ありんこだ。ありはちっぽけで、地面を這い回るだけで、なんの面白みもない。でもな、ありっていうのは自分の身体の50倍もの重さを持ち上げられる、めちゃくちゃ力持ちなんだ」

 そう、ぶっきらぼうな語り口でありながら、“ありんこ”である水星だからこそできる仕事ぶりがあると認める。そして「このチームには、遠藤水星が必要だ。よろしくな」と言う言葉には、水星のことも懐に入れたというもう一つの覚悟が漂っていた。

 照れくささなのか、視線がちょっぴり泳いでいるのも、人間味の滲む瞬間をすくい取る演技を得意とする中村倫也だからこそ表現できる、吾妻のかわいらしさ。その佇まいがあるからこそ、吾妻の厳しさは単なる“昭和的指導”に留まらず、“令和的ディレクション”として、どこか「叱られたい」とすら思わせる愛しい関係へと昇華される。

 叱ることが難しくなり、叱られることにも不慣れになった今、本気で向き合い、厳しさを引き受ける大人とは。そして、夢のステージへと導く者の覚悟と責任とは。中村倫也が演じる吾妻に、そんな新たな時代の指導者像のスポットライトが当たっている。

『DREAM STAGE』の画像

金曜ドラマ『DREAM STAGE』

業界を追放された日本人プロデューサーと韓国の落ちこぼれ練習生7人が、K-POPの世界でトップを目指す熱い絆の物語。

■放送情報
金曜ドラマ『DREAM STAGE』 TBS系にて、毎週金曜22:00~22:54放送
出演:中村倫也、池田エライザ、ハ・ヨンス、カイセイ、ユンギ、アト、ターン、ユウヤ、キムゴン、ドヒョク、岩瀬洋志、HOJIN(KAJA)、志賀李玖、松瀬太虹、ISAAC(KAJA)、森香澄、村瀬紗英、キム・ジェギョン、イ・イギョン
脚本:紗嶋涼、山浦雅大
演出:松木彩、吉野主(SDP)、金澤友也(テレパック)
音楽:福廣秀一朗、Akiyoshi Yasuda
主題歌:NAZE「BABYBOO」(NICHION)
企画プロデュース:高橋正尚
プロデューサー:八木亜未(大映テレビ)
プロジェクトディレクター:中川麻衣
プロジェクト企画:GY,CHOI(CJ ENM JAPAN)
コレオグラファー:【NAZE】NOSUKE(Team"S"pecial)、【TORINNER】Ken
製作著作:TBS
©TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/DREAMSTAGE_tbs

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