『良いこと悪いこと』真犯人の正体は? 宇都見、イマクニ、東雲の不可解な点をおさらい
間宮祥太朗、新木優子主演の土曜ドラマ『良いこと悪いこと』(日本テレビ系)。第9話で連続殺人を犯していたのがスナック「イマクニ」の常連で一連の事件の捜査をしていた刑事・宇都見啓(木村昴)だったという衝撃の事実が判明したが、まだその先には真犯人がいることが予告された。そこで、第9話で見せた宇都見の違和感、そして真犯人とはいったい何なのか考察してみたい。
宇都見啓(木村昴)の不可解な点
これまで事件の始まりは、小学6年生のときに高木将/キング(間宮祥太朗)ら6人組から「どの子」と呼ばれいじめられていた転校生の猿橋園子(新木優子)の復讐かと思われてきた。しかし実は小学校5年生のときに「ドの子」と呼ばれいじめられていた瀬戸紫苑(吉田帆乃華/大後寿々花)の存在が「みんなの夢」を語るDVDで発覚。紫苑は音楽の授業の際にリコーダーでドの音が出なかったことから「ドの子」といじめられ、大好きだったピアノが弾けなくなり、トラウマを抱え転校。後に不登校になった児童らが通う学校「タクト学園」に通い、トラウマを乗り越えプロのピアニストに。しかし1年前に、キングが娘の花音(宮崎莉里沙)を連れてピアノ教室を開く紫苑の家を訪れたことで、トラウマがフラッシュバックしてピアノが弾けなくなり、薬を大量服薬して自殺。そんな紫苑と2年前に出会い婚約していた宇都見が復讐として一連の殺人を犯したという流れだ。
犯行動機や、これまでの殺人手口も宇都見が実行犯なのは納得できるもの。ただいくつか違和感もある。
大事な紫苑追悼コンサートが中止になったり、キングに復讐する前に捕まる可能性が高くなるのに、なぜ小山隆弘/ターボー(森本慎太郎)殺害が露骨にバレるオフィスで実行したのか。ターボーとの駆け引きもどこか意味深で、ターボーの亡くなった人に対して「運だけですよ」という言葉に、「あなたは本当にそういう話のすり替えが得意ですよね」と放った一言。そして「瀬戸紫苑、ご存知ですよね?」という聞き方は、いじめのトラウマとは別に何かがあるように聞こえる。
次に宇都見の殺害回想シーンで、ターボーの囲み会見でのガラス落下シーンがないこと。未遂に終わったからなのかもしれないが、ターボーとの会話で「不思議なんですよね、なぜあなただけ失敗したままなのでしょうか? なぜあなただけ無事なのか?」という質問をしたことでターボーの自作自演の信憑性が増した。他にもカンタロー(工藤阿須加)の最初の火事がないのは? ターボーへの首絞め以外はどれも宇都見は眺めているだけで、実際に手を加えている人物が真犯人なのか。今のところ直接手を加えるシーンを省いた叙情的な演出ともとれるが、宇都見はターボー殺害以外、真犯人のサポートをしていたに過ぎず、だからキングにも手を出さなかったのかもしれない。
なぜ宇都見はキングを生かしたのか。普通に考えるなら、ヒーローを夢見たキングに対して連続殺人犯である自身が観客の前でキングに倒されるのなら絵に描いた通りであり、6人を殺めた償いともなるし、ここでキングが宇都見を刺して罪を犯すことで、あとはキングが生き地獄を味わうというシナリオを描いたのか。結果的に多くの人の命を奪うことになったキングに、あとはどう責任をとるつもりだと、真犯人はお前なんだという意味も込めて、償いは自分で決着をつけろと審判を託したのか。それとも宇都見の目的はあくまでもターボーで、会場にいたキングに対し復讐心を持つ真犯人へ「後は頼んだ」と呟いていたのか。
ただ、この流れを作りたいのなら、宇都見がキングのもとに訪れた際にコンサートが開かれることを告げるべきだが、何も知らせなかったことに矛盾を感じる。とはいえ、キングを会場に導いた人物が真犯人に繋がりそうな気がする。それを思うと、タクト学園を探し出したのは松井健(秋谷郁甫)で、結果的に彼がキングを誘い出したことになる。他にも紫苑の家をつきとめたのは豊川賢吾/トヨ(稲葉友)であり、土屋ゆき/ゆっきー(剛力彩芽)が積極的に家探しに参加していたので、途中参加のこの2人も怪しい。