玉田真也監督の新作短編『遠い人』NORMEL TIMES内で公開 坂井真紀&李夢苡樺がW主演

坂井真紀と李夢苡樺(リ・モンイファ)を主演に迎えた玉田真也監督の短編映画『遠い人』が、12月4日24時よりNORMEL TIMESサイト内で公開される。
本作は、日本のウイスキーとその周辺にある独自の文化を、形式に囚われない自由な形で世界に発信し続けることを目的に立ち上げた“営業時間外”プロジェクト「NORMEL TIMES(ノーメルタイムズ)」の第1弾。休憩時間や帰り道、食事中など、肩書きや規則から解放される“営業時間外”をコンセプトに、グラス一杯のウイスキーを味わう時間で愉しめる、「NORMEL TIMES」サイト内で公開されるショートフィルムとなっている。
第1弾となる本作で監督を務めたのは、劇団「玉田企画」を主宰し、映画『そばかす』『夏の砂の上』を手がけるなど、映画・演劇の両分野で活躍する玉田。今回のテーマについて玉田監督は「ねじれた関係のふたりが、距離を越えて少しずつ心を通わせていく旅」と表現している。
台湾から日本を訪れたポン・ルイユン(李夢苡樺)は、恋人の母・美弥子(坂井真紀)と海辺の町の駅で待ち合わせをしていた。しかし、恋人は仕事の都合で来られず、ふたりは気まずい沈黙の中、ぎこちない1日を過ごしはじめる。言葉も文化も異なるふたりは、海辺を歩き、町の人々とふれあいながら、ゆっくりと流れる時間の中で、少しずつ心の距離を縮めていく。すぐそばにいるのに、こころは遠く感じてしまう……。
主演を務めるのは、玉田監督作品への2作目の出演となる坂井と、オーディションで選ばれ、本作が日本映画初出演となる台湾出身の李夢苡樺。坂井が演じるのは、李演じるルイユンの恋人である笹本祐太の母・美弥子。アートオークション関連の仕事をしており、舞台となる海辺の町にはかつて夫と息子と3人で訪れたことがあるという役どころ。李が、初めて日本を訪れた台湾出身の大学生で、祐太とは台北の大学で出会うルイユンを演じる。
そのほか、会社員を辞めて旅館を購入し、家族と離れてひとりで美弥子とルイユンが宿泊する旅館を運営している佐久間義則を岩谷健司、義則の娘で東京の大学に通っており、
夏休みの間に何泊か旅館に滞在している沙鳥を祷キララがそれぞれ演じる。沙鳥は中国語を学んでいた時期があり、ルイユンと片言で会話を交わす場面も登場する。
撮影は、千葉県富津市の海辺の宿や商店、食堂などで実施。撮影の合間には、スタッフ・キャストともに海を眺めながら時間を過ごす姿も見られたという。坂井は玉田監督について「(監督ならではの)リズムがあるので、毎シーン毎シーン、どこをこだわるのかというのも違うので、監督の言葉はすごく楽しみ」とコメントを寄せており、作品については「人と関わり合うことは、面倒くさいときもあるかもしれないけど、愛おしいことなので、(作品を通して)誰かと共に時間を過ごす愛おしさみたいなものが届けられたらいいなと思います」と思いを語っている。
あわせて、玉田監督、坂井、李が、共演の感想や監督への印象、“営業時間外”の過ごし方など様々なエピソードを語ったインタビュー動画とメイキング映像が公開された。
なお、「NORMEL TIMES」では、ショートフィルムをはじめとした様々なコンテンツが今後も発信されていく。
玉田真也(監督)コメント

“営業時間外”というコンセプトについて
“営業時間外”は、働く時間を離れた17時以降の余暇の時間というコンセプトだったと思うんですけど。
それが今回は、旅行は余暇の時間のはずなんですけど、その中に仕事を離れきれない人がいる。(旅行に来ているのに)2人が交わりたいのになかなか交われないみたいな、そういう対立を人間関係の中に作るという、反映のさせ方を試してみました。
2人(主人公)の関係性について
ただ仲のいい2人が旅をしていたら、それはプライベートだったらそれで楽しいんですけど、やっぱり(物語の中に)対立を仕組みたいっていう想いがあったんです。だからなんか気まずくならざるを得ないような、ちょっとねじれた関係の2人が旅をしなきゃいけないっていう風にしたかった。
実際に日常でもあると思うんですけど、仲いい友達がいて、そいつが呼んできた友達がいて、その友達と3人で遊ぶ分には、まあいいんですけど、この一番仲いい友達は、もう1人の友達にとっても一番仲いい友達で。で、真ん中のその友達がトイレに行ったら、めっちゃ気まずいじゃないですか。その関係で1泊2日しなきゃいけないというのは面白いのかなと。
出演者の印象や、印象的なエピソード
坂井さんは、僕の前々作の長編映画に出演していて、その時からすごい良かったんです。お芝居に愛嬌がすごくありますよね。今回も、別の人が演じたらもしかしたら「嫌だな、このお母さん、仕事をずっと持ち込んで」って思われるような可能性もある役柄だと思うんですけど、坂井さんがやると、全部その愛嬌で嫌わずに済むんですよね。ちゃんと好きになれる感じがあって。そういう俳優さんだなと思っています。
李夢はオーディションで選んだんですけど、オーディションのときから圧倒的に何人か見た中でうまいんですよね。いろいろ質問して答えてもらったり、役について考えていることを答えてもらったりするんですけど、やっぱりその掘り下げ方もかなり考えている。オーディションを見てたときに、この人だったら言葉は通じないけど、対等に仕事ができそうっていう風に思いました。
坂井真紀(笹本美弥子役)コメント

玉田監督について
玉田監督は、“人と人との距離感”や“こだわるポイント”に独特のリズムがある方だと感じています。シーンごとに大切にする部分が違っていて、その度に新しい視点をもらえるので監督の演出に、いつもわくわくします。
自分にとってリラックスできる時間とは?
私はバスケットボールを観るのが好きで、仕事を終えて、明日の準備もして、自分の自由時間ができたときに、試合を観るのがとても癒しになります。リラックスもできますし、思わず盛り上がってしまう時間でもあります。
本作の見どころや、受け取ってほしい想い
今は、“個”に重きが置かれがちな時代ですが、人と関わり合うことって面倒に感じる瞬間もある一方で、本当はとても愛おしいものだと思っています。誰かと共に時間を過ごすことの温かさや愛おしさを、この作品を通して感じていただけたら嬉しいです。
李夢苡樺(ポン・ルイユン役)コメント

撮影の感想
日本でお仕事をするのは今回が初めてなんですが、この環境の中でお仕事ができて本当に嬉しいです。東京に来るのは前回、家族と一緒に来た二十年前以来なんです。今回は一人で、そして仕事仲間と一緒に来られて、とても新鮮でした。撮影チームの皆さんも本当に良い方ばかりで、
作品のストーリーもとても面白いんです。言葉の面でもいろいろ工夫がある作品で、スタッフの皆さんにもよくしていただき、本当に素敵な経験になりました。
ルイユンというキャラクターについて
そうですね。たとえ国が違っても、恋人のご両親に会うというのは誰にとっても緊張するものだと思います。その気持ちを大事にしながら、相手の親御さんに良い印象を持ってもらいたい、ちゃんと見られたい、という心情を意識しました。さらに、言葉の壁や文化の違いもあるので、自分の中ではプレッシャーが大きかったですね。ストーリーの中では恋人本人が登場しないので、私は「彼がいなくても、お母さんと自分だけで良い関係を築きたい」という設定を自分の中で加えました。
自分にとってリラックスできる時間とは?
“営業時間外”というのは、私にとって「人と関わるときに被っている仮面を外す時間」だと思います。仕事でも友人関係でも、少なからず気を使う場面がありますよね。でも“営業時間外”は、他人の目を気にせずに、自分らしくいられる時間。今回の撮影が終わった後は、東京に少し残って、久しぶりにこの街の生活をゆっくり楽しもうと思っています。あまり深く考えずに、ただのんびりと過ごして、何が起こるか楽しみにしています。
■公開情報
『遠い人』
「NORMEL TIMES」サイト内にて、12月4日(木)24:00より公開
出演:坂井真紀、李夢苡樺、祷キララ、関口アナン、中山雄斗、笠島智、市川しんぺー、岩谷健司
脚本・監督:玉田真也
製作:NORMEL TIMES/CINEMORE
企画:SHIKI INC. /株式会社 AD ASTRA
制作プロダクション:太陽企画株式会社/TOKYO
公式サイト:https://www.normeltimes.jp/
公式Instagram:https://www.instagram.com/normeltimes_jp
公式X(旧Twitter):https://x.com/normeltimes_jp


























