早見沙織が考える“吹替版”だからこその醍醐味 「セリフがダイレクトに耳と心に入ってくる」

早見沙織が大切にしている“生の表現に触れる”こと

――声優としてアニメ映像と洋画の吹き替えでは、お芝居にどんな違いがあると感じますか?

早見:洋画は実際に演じている役者さんがいらっしゃるので、映像の中に「この表現を元に自分の表現を作ろう」というモデルがあります。アニメの場合、まずは自分が表現したものに対してディレクションをいただき、変更を加えていくやり方になります。洋画の場合は、今回ですとエル・ファニングさんの演技がベースになるので、真逆の表現に向かうことは起こりません。そこが大きく違う点です。

――『プレデター』シリーズは吹替版も愛されてきた印象が大きいですが、洋画の字幕と吹き替えにはそれぞれどんな魅力があると感じますか?

早見:私は字幕版で映画を観るのも好きです。字幕も含めた全てを映像として受け取るので、没入できる感覚があり、それが字幕版の面白さだと感じています。また、文字ならではの表現も魅力に感じます。一方、吹き替えは、セリフがダイレクトに耳と心に入ってくるのがいいですよね。

――これまでも多くの作品でエル・ファニングの吹き替えを担当されてきましたが、本作での彼女はいかがでしたか?

早見:本作にはエル・ファニングさんの全てが詰まっていると思います。全くジャンルは異なるのですが、彼女の過去の作品での演技にも通ずるものがありました。

――普段から芝居をするにあたり、ご自身のインプット源になっているものは何ですか?

早見:自分のインプット源として、さまざまな表現を観に行くようにしています。特にコロナ禍を経て、“生の表現に触れる”ことを意識するようになりました。最近は舞台を観に行ったり、劇場で映画を観ることが多いです。また、もともと音楽を聴くのが好きで、海外・国内のアーティストさん問わずライブに行くことも刺激になっていると思います。

■公開情報
『プレデター:バッドランド』
全国公開中
出演:ディミトリアス・シュスター=コロアマタンギ、エル・ファニング
監督:ダン・トラクテンバーグ
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
©2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

関連記事