ベルギー映画『ナイトコール』本編冒頭映像公開 スリリングな逃走劇の“始まり”が

新宿武蔵野館ほかにて公開中のベルギー映画『ナイトコール』の本編冒頭映像が公開された。
本作は、ミヒール・ブランシャールによる初の長編監督作。都市の闇を舞台に展開する一夜の逃走劇、そして暴動と現代社会を背景にした人間ドラマが描かれる。
平穏な日常を望む青年マディは、鍵屋として生計を立てていた。ある晩、マディは、クレールから鍵を開けてほしいという緊急の依頼を受ける。しかしクレールが開けるよう指示した部屋は彼女のものではなく、マディに鍵を開けさせた後、家主不明の家から一個のバッグを持ち去ったのだった。クレールが持ち去ったそのバッグは、目的のためなら手段を選ばない冷酷なマフィア、ヤニックのもので、クレールが去った部屋に押し入ったヤニックは無慈悲にマディを問い詰める。マディが無実を証明し、自身の命を守るための時間は一晩しかない。平凡な夜勤から一転、暴力への残酷な転落が始まる。
ベルギーはアフリカにおいて長い植民地支配の歴史を持ち、その過程で行われた暴力的な搾取や人種差別は、今なお多くの論争と痛みを残しており、現代の差別問題にも深く関係している。警察対応、司法制度、雇用、住居、教育など、あらゆる分野において、アフリカ系住民を含むマイノリティが経験する不平等の割合は欧州の中でも高く、ベルギーでは特に顕著である。本作の主人公マディはアフリカ系で、今の環境から抜け出すために大学に通っている。BLMのデモに参加しないことを同じアフリカ系住民から非難されても、彼にとっては学費を稼ぐための鍵屋での夜勤が現実的に最優先事項なのだ。そんな彼がある事件に巻き込まれ、警察に助けを求めても信用されない。こうした社会的背景の中で、物語は夜のブリュッセルの街を舞台に、緊迫した展開を見せていく。
公開された本編冒頭映像で描かれるのは、依頼主クレールとの待ち合わせから、疑いながらも開錠作業するマディが、騙されたことに気づくシーン。本物の家主と遭遇する恐怖の瞬間は、これから始まる地獄の逃走劇の序章となっている。
■公開情報
『ナイトコール』
新宿武蔵野館ほかにて公開中
出演:ジョナサン・フェルトレ、ナターシャ・クリエフ、ジョナ・ブロケ、ロマン・デュリス(特別出演)
監督:ミヒール・ブランシャール
提供:スターキャット
配給:スターキャットアルバトロス・フィルム
2025年/フランス・ベルギー/90分/カラー/シネスコ/5.1ch/英題:Night Call/日本語字幕:星加久実
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