イスラエルで上映禁止のドキュメンタリー 『ネタニヤフ調書 汚職と戦争』11月8日公開へ

ドキュメンタリー映画『The Bibi Files(原題)』が、『ネタニヤフ調書 汚職と戦争』の邦題で11月8日よりシアター・イメージフォーラムにて日本公開されることが決定した。
本作は、イスラエル本国では上映禁止となり、イスラエル首相ベンヤミン・ネタニヤフ自らが公開中止を求めて訴訟を起こそうとしたドキュメンタリー。いまなお終わりの見えないガザ・イスラエル紛争。この紛争のキーマンとされるのが、カリスマ的なリーダーシップを持ちながらも、強硬的な政治姿勢で物議を醸すイスラエル首相ネタニヤフだ。しかし、彼が在任中に刑事起訴された史上初のイスラエル首相であることを国外の多くの人々は知らない。2017年、彼の汚職捜査の過程で秘密裏に制作チームにリークされた未公開の警察尋問映像には、メディアや財界との贈答や利益供与の実態が記録されていた。
はじまりは小さな贈り物だった。極秘リークされたイスラエル首相ネタニヤフとその側近たちの警察尋問映像には、ニュースの裏側にある彼らの隠された私生活が描き出されていた。その疑惑が公になったとき、ネタニヤフの権力への欲望は肥大化し、やがて恐るべき悲劇がもたらされる。
アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した『「闇」へ』や同賞ノミネートの『エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?』などで知られるアレックス・ギブニーが製作総指揮を務め、ユダヤ人の父とドイツ人の母の間に生まれ、『アニタ 反逆の女神』の公開も控えるアレクシス・ブルームが監督を務めた本作は、ネタニヤフが有罪回避のため極右勢力と結託し、長期政権の下でイスラエルを分断し民主主義を危機にさらした過程を描き出す。
あわせて公開されたポスタービジュアルでは、汚職捜査の発端となった葉巻を手にするネタニヤフの姿が描かれ、葉巻の断面から立ち上る煙はやがて巨大な爆炎となっていく。その煙の中に銃を構えた兵士たちのシルエットが浮かびあがる構図は、キャッチコピーの「真実は煙幕の向こう側にある」が表す通り、ネタニヤフへの小さな贈り物がやがて彼自身の力への欲望と変化していく過程、そして、それらがもたらした悲劇を物語っている。
また予告編では、警察の尋問に対して高圧的に接し、自分に対する疑惑を徹頭徹尾「嘘」だと決めつけ、時には余裕たっぷりに映画『ゴッドファーザー』の有名なセリフ「友を近くに置け、敵はもっと近くに置け」を引用する、普段のニュースでは見ることのできない人間ネタニヤフの姿を垣間見ることができる。また、彼の汚職がいかに国家の腐敗を招いていったのかを証言するのは、イスラエルの国内諜報機関シンベトの元長官、ネタニヤフの元広報担当、著名な国内の調査報道ジャーナリストたちだ。

■公開情報
『ネタニヤフ調書 汚職と戦争』
11月8日(土)シアター・イメージフォーラムにて公開
製作総指揮:アレックス・ギブニー
監督・製作:アレクシス・ブルーム
/配給:トランスフォーマー
2024年/イスラエル・アメリカ/英語、ヘブライ語、アラビア語/115分/カラー/原題:The Bibi Files/日本語字幕:額賀深雪
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公式サイト:https://transformer.co.jp/m/thebibifiles/
公式X(旧Twitter):@thebibifiles






















