『奪い愛、真夏』カオスな半狂乱祭り 高橋メアリージュン×松本まりか×安田顕の芝居合戦

予測不能の『奪い愛、真夏』(テレビ朝日系)最終章が幕を開けた。
第7話の始まりは、未来(高橋メアリージュン)による個展『奪い愛、真夏』の音声解説。未来が指揮者のように腕を動かすと、突如としてバイオリニストが現れ、悲しげな戦慄を弾き出す。真夏(松本まりか)の亡き母・三子(水野美紀)、改め「ミッドナイト紅子」は場末のストリップ小屋で踊り子として生きていた。真夏はタイムリープできる時計を手に入れるため、三子とフォークで指の間を刺す度胸試し。森の中の工房で、真夏は時夢(安田顕)と永遠の愛を誓いあうも、今度は未来がタイムリープを発動。花火(森香澄)から受け取った鍵で手錠を外し、工房に向かおうとする時夢の腕を未来が掴み、「行かせないよー!」と叫ぶのだ。
カオス。第3話をターニングポイントにして徐々に激しさがインフレ状態となった『奪い愛、真夏』は、気づけばアドレナリンマックスの半狂乱祭りに入っている。ハイライトだらけの第7話だが、中でも特筆すべきは「TOWANI」の社員たちも巻き込んでの未来の個展。そこで繰り広げられる未来=高橋メアリージュン、真夏=松本まりか、時夢=安田顕による芝居合戦には息を呑んだ。
個展『奪い愛、真夏』の音声解説とは、隼人(安田顕/二役)を失った主人公・真夏が時夢と出会い、未来から奪っていく物語。バイオリニストの登場や高橋メアリージュンによる松本まりかのモノマネ、途中でインサートされる狂言の言い回しなど、熱を帯びていく高橋メアリージュンの芝居に対して、松本まりかは真夏として常軌を逸していく。そのトリガーとなるのは、奪われた時計。金切り声で絶叫する真夏はやがて錯乱状態に。そんな2人に呼応するように、安田顕も時夢として一気にテンションをマックスに持っていき、止めに入る。全てをかなぐり捨ててもいい、愛しているのは真夏だ、ということが時夢の必死の形相から伝わってくる。
落ち着きを取り戻したかと思えば、「真夏だよー!!!」(未来)、「俺だよー!!! 俺ー!!!」(時夢)と絶叫しあい、一方の真夏はか細い声で「私だよー! 私のせいなんだよー!」と訴えかける、その全体としての芝居の緩急も見事。筆者が最も目を見張ったのは、未来が語る生々しい夫婦事情に、真夏が気圧され倒れるシーン。インパクトのあるワードが並ぶ長尺のセリフだが、そこからは未来の時夢への愛がストレートに感じられる。そもそも奪われている側は未来であって、夫への愛情が大きいからこそ、それだけ嫉妬に狂ってしまう、という見方もできる。
そのことは真夏も痛いほど理解していた。母・三子との度胸試しで覚悟を見せた真夏は、時夢とこれからを生きることを決心する。時夢も気持ちは同じだった。工房で2人の時間が重なり、ゆっくりと時計が動き出そうとしていた頃、未来がタイムリープを発動。「行かせないよー!」のセリフは、言うまでもなく第3話の「ずっと見てたよー!」のオマージュ。ひいては『奪い愛、冬』(テレビ朝日系/2017年)の「ここにいるよー!」からシリーズを貫くオマージュということになる。
最終回は、真夏と未来の地獄のラストバトルが開演。命懸けの不倫バトルは驚愕の結末を迎えようとしている。
さまざまな登場人物たちが愛を奪い合う“激しくも切ないドロキュン恋愛ドラマ”『奪い愛』シリーズの最新作。結婚までも約束した最愛の恋人と不倫の末に別れた主人公の恋模様を描く。
■放送情報
金曜ナイトドラマ『奪い愛、真夏』
テレビ朝日系にて、毎週金曜23:15~24:15放送
出演:松本まりか、安田顕、高橋メアリージュン、森香澄、白濱亜嵐、石井正則、石山順征、谷原七音、水野美紀
脚本:鈴木おさむ
演出:樹下直美、上田迅
ゼネラルプロデューサー:横地郁英(テレビ朝日)
プロデューサー:川島誠史(テレビ朝日)、神通勉(MMJ)、小路美智子(MMJ)
音楽:沢田完
主題歌:安田レイ「BROKEN GLASS」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
制作:テレビ朝日、MMJ
©テレビ朝日
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