井上由美子×西谷弘『愛の、がっこう。』対談 木村文乃とラウールが生んだ化学反応

西谷弘「既視感のあるものを避けて、常に新しい表現を求める」

――第6話は愛実とカヲル、二人だけで尺の大半を占める異例の構成でした。なぜこの形になったのでしょうか?
西谷:二人だけで綴る話が一度くらいあってもいいかな、と。
井上:西谷さんと長年やってきた信頼関係がなければ難しかったと思います。「二人だけでは、お客さんを退屈させないだろうか」と不安もありましたが、演じる二人を信じて書きました。パチンコ屋を出てカヲルが愛実を探す場面は、追いかけっこの中に「私を探してくれる人がいる、この人についていきたい」という愛実の心情を込めました。
西谷:井上さんの言葉をもとに映像を膨らませ、そこで二人が素晴らしい演技を見せてくれた。おかげであの回が生まれましたね。
――長年タッグを組んでこられたお二人ですが、『愛の、がっこう。』を経て、改めてお互いのクリエイターとしての魅力をどのように感じられましたか?
井上:西谷さんとご一緒すると、台本という平面の中の人物が“実際にどこかに生きている”ように感じられるんです。人間の複雑さをちゃんと捉えているからこそだと思います。
西谷:僕は井上さんの脚本を文学だと思っていて、そこにまず敬意があります。説明的なものを嫌うところも共通していて、企画の立ち上げ段階から目指す場所が近いんです。

井上:西谷さんは男性キャラクターの演出も素晴らしくて。第6話でカヲルが川原(中島歩)に言い返す場面で、川原の尻を揉ませる演出がありましたが、あれは西谷さんにしかできないこと。リアルさが一気に増して、心を揺さぶられました。
西谷:我々の最強の共通点は既視感のあるものを避けて、常に新しい表現を求める。そして、その進化への努力を惜しまないことだと思っています。井上さんとこうして長くタッグを組めること自体が幸せですし、これからもまた新しい作品を一緒に生み出していけたらと思っています。
井上由美子が完全オリジナルストーリーで描く、すれ違うことすらないはずの2人が出会い、惹かれ合うラブストーリー。高校教師・小川愛実が、文字の読み書きが苦手なホスト・カヲルに秘密の“個人授業”を続ける中で次第に距離を縮めていく。
■放送情報
木曜劇場『愛の、がっこう。』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00~22:54放送
出演:木村文乃、ラウール(Snow Man)、田中みな実、中島歩、坂口涼太郎、味方良介、野波麻帆、早坂美海、荒井啓志、別府由来、りょう、筒井真理子、酒向芳、沢村一樹
脚本:井上由美子
演出:西谷弘
プロデュース:栗原彩乃
音楽:菅野祐悟
制作著作:フジテレビ
©︎フジテレビ
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