『しあわせな結婚』視聴者は必見! “空白の時間”を埋めるスピンオフで本編の楽しみも倍増

いよいよ物語も佳境に入っている『しあわせな結婚』(テレビ朝日系)。二転三転する先の読めない展開に最終回が待ち遠しくなる一方で、幸太郎(阿部サダヲ)やネルラ(松たか子)たちと会えなくなる寂しさを感じ始めている視聴者も多くいるのではないだろうか。
「木曜ドラマ『しあわせな結婚』ポッドキャスト」までも毎週欠かさず聴いている筆者もその一人なのだが、そんな人におすすめしたいのが動画配信サービス「TELASA」で独占配信されているスピンオフドラマだ。これが本編の空白の時間を埋める内容で面白い。

スピンオフは、前後編の15分×2。本編に比べると短いように感じるかもしれないが、これがギュッと物語が凝縮されており、満足感が高い。まず、前編は病院のエレベーターで運命の出会いを果たした幸太郎とネルラの結婚前のエピソード。幸太郎が鈴木家マンションのネルラの家を訪問した3回目に、レオ(板垣李光人)、考(岡部たかし)、寛(段田安則)の家族と初対面を果たす際の話だ。

昨今、スピンオフドラマが作られること自体は珍しくないが、登場人物の一人を主役に立てた、言ってみればキャラクターのスピンオフドラマといったパターンが多い印象だ。しかし、『しあわせな結婚』のスピンオフドラマは本編で描かれなかった物語を補填することがメインとなっており、この前後編を0.5話分放送時間が増えたと考えることもできるだろう。

『しあわせな結婚』は、サスペンスとホームドラマの大きく2つの要素で構成されているが、スピンオフは後者のホームドラマに傾倒した内容。バスローブ姿の幸太郎を“変態空き巣”と見なして警戒しながらも、いつの間にか一緒にしゃぶしゃぶの鍋を囲んでいるレオと考の姿が微笑ましい。

この前編には、驚きのシーンがある。それが、ネルラが幸太郎に突如プロポーズする場面だ。全員が箸を止め呆気に取られるその様子は、第1話でネルラが「幸太郎さんも好きよ」「レンコンより好き」と家族がいる前で恥ずかしげもなく愛を伝えたシーンを思い起こさせる。時系列ではもちろんプロポーズの方が先で、そこに寛は同席してはいないが、第1話で幸太郎やレオたちはどんな表情をしていたのか、もう一度確認したくなってしまった。本編よりも大胆な発言の多いレオにも驚きを隠せないが、鈴木家の故郷・舞鶴の昔話をしながらレオ、考、寛が川の字で寝るシチュエーションはしんみつとしつつ、鈴木家の家族の絆を再確認させる。それが搬入した幸太郎のベッドの上で、というのもまた面白い。





















