『放送局占拠』般若=加藤清史郎はミスリード? 異なる時系列など注目の第5話を考察

櫻井翔主演の『占拠』シリーズ第3弾となるドラマ『放送局占拠』(日本テレビ系)の第4話が終了。武装集団・妖が「NEWS FACT 東京都知事選挙特番」を放送中のテレビ日本を占拠し、彼らが恨みを持つ知事候補やテレビ関係者たちを人質に取り、メディアの闇を武蔵三郎(櫻井翔)を利用して暴いていく。
そんな中、妖が狙うのは一連の事件を裏で操る“傀儡子”だと判明。そして現在のターゲットは「NEWS FACT」テレビディレクターの日出哲磨(亀田佳明)。今回は「日出の闇」とは何か、そして第5話で素顔が明かされるという妖のリーダー・般若の正体について考察してみたい。
日出の闇とはなんなのか?

まずは日出の闇について。これまでも占拠内の様子や、内閣官房長官・式根泰山の息子で俳優の式根潤平(山口大地)がメスを盗む姿をスマホで盗撮したりと、真実を記録するジャーナリズム根性のある人物かのように描かれていた。かと思いきや、式根の脱出提案に率先して乗っかったりとなかなか掴みきれない。第4話で罪が暴かれる順番になると、アマビエ(ともさかりえ)の息子が自殺に追い込まれた「こっくりさん事件」や唐傘小僧の妻が殺された「女郎蜘蛛殺人事件」の街頭インタビューを、後輩の劇団員を利用したヤラセで世論を誘導していたことが判明。視聴率重視でニュースを面白くしたいテレビマンらしい行動とも言えるもので、まだ傀儡子からの指示で捏造をしていたという繋がりを考えるのは時期尚早な気がする。
裁きを受ける者の拷問は、懺悔する事件に関連するものとなっており、例えば日出が受ける拷問は釘が混ざったクリーム砲が顔面に発射されるというもの。第1話でブラウン管に映っていたニュースの中で“釘”に関連するものだと、「消防車にはねられ記者死亡 高津国光さん(57) 消防車は大雪のためスパイクタイヤ装着→男性の頭に釘が刺さった状態」が関連しそうだ。日出の捏造を追求したことで殺されたのか? 都知事・大芝の罪が建設会社との官製談合が明かされたとき、傀儡子に関して話そうとしたら電気ショックで死亡したように、高津記者も傀儡子に迫り闇に葬られたのか。

第5話のあらすじで、「一方、2時間以内に日出の闇を暴かなければ、日出は釘刺しにされて死に至る。急ぐ武蔵は、5年前の事件を調べるが……。」とある。捏造された2つの事件のことではなく、なぜか5年前の事件についてのあらすじだ。5年前といえば大和(菊池風磨)が追う「鎌鼬事件」、もしくは大和が病院占拠を行うきっかけとなった5年前の新型ステルスウイルスのワクチン開発「P2計画」のことだろうか。当時、大和の妹・山城琴音(上西星来)はホテルオシマでウイルス感染によって死亡した3人のうちのひとり。感染センターの研究員・加賀大輝の運転で死亡したことにされたが、その事故は感染者死亡を隠すための捏造だったことが後に判明している。もしそれが傀儡子の指令で日出が捏造ニュースを作り、それを高津記者が追求していたのなら話が繋がってくる。
それとは別に、日出が何度もスクープを連発している敏腕ディレクターなだけに、当初は高津と組んでいたが意見の食い違いで仲間割れを起こして死に至ったという線も考えられる。裁きを実行する河童と化け猫は被害者の家族だろうが、この親のことが明るみになることで、傀儡子や鎌鼬事件とのつながりも見えてきたところに、般若が満を持して正体を表す流れとなりそうだ。ただ、日出にはどこか余裕を感じるので、実は傀儡子を炙り出そうと演技をしているという深読みもでき、そう一筋縄にはいかない気もする。
妖のリーダー・般若の正体は?

第5話で正体が明かされる妖のリーダー・般若に関してのヒントは武蔵裕子(比嘉愛未)との会話にある。負傷したがしゃどくろ(瞳水ひまり)の手術を終え、裕子が般若に「こんなことはもうやめて」と言うと、「我々には使命があります。成し遂げるまで立ち止まるわけにはいきません。(目的は)まだ言えません。でもあなたには最後まで見届けてもらいます。なぜ、私が般若になったのか」と裕子に訴えたということは、裕子とは知り合いで悪に走った理由を伝えたいという身内パターンだろうか。
もう1つは、『新空港占拠』(日本テレビ系)では武蔵の姉が黒幕でそれを獣たちが暴いたように、妖たちが追う傀儡子が裕子にまつわる関係者であるパターン。例えば傀儡子が武蔵の学生時代の先輩で、裕子とも旧知の仲であるプロデューサーの奄美大智(戸次重幸)や、これまで一緒に事件を解決してきた和泉さくら管理官(ソニン)のような警察側の人間や病院関係者など、黒幕側が裕子の関係者で、犠牲となった遺族や友人が般若となったというパターンも考えられる。





















