エアアジア『Fly and Go!』は“出会いと別れ”のアジア青春ストーリー 心残りも旅の宝物

ショートドラマ『Fly and Go!~世界一ドタバタな出張~』がBUMPで配信中だ。20話までの前半に続き、後半も相変わらずのドタバタと想定外の連続だが、それがまたたまらなく旅を感じるのだ。あちこちで迷い、笑い、すれ違い、泣く、そしてちょっとだけ、自分と向き合ってしまう。そんな“感情と偶然の交差点”のような48話だった。
海外旅行好き必見! エアアジア発ショートドラマ『Fly and Go!』はリアル旅エンタメだ
ショートドラマ『Fly and Go!~世界一ドタバタな出張~』がBUMPで配信されている。これが、海外旅行好きにとっては首を縦…突然エアアジアの会議室に呼び出された大学生4人が告げられたのは、「アジアを旅して、最高の一枚を撮ってこい!」という、あまりに無茶なミッション。そこから始まるのは、言葉も文化も通じない異国の地で繰り広げられる、予測不能な青春出張インターン旅だ。方向音痴のヒロイン・陽菜(濵咲友菜)は毎回のように迷子になり、恋人との関係に悩む凛(木村葉月)は現地でプロポーズされたりされなかったり、配信命の悠太郎(蒔木瑠人)はとにかくどこでも炎上寸前。ロケ地は台湾、タイ、マレーシア、フィリピンなど、リアルに旅して撮影されたアジア8都市。全48話、1話1~2分で展開されるストーリーは、恋・仕事・友情・事件・そしてちょっとした感動がぎゅっと詰まっていて、気づけばどのエピソードにも“旅のあるある”が溶け込んでいる。

後編のエピソードでまず注目したいのは陽菜のエピソードだ。台湾から帰国したばかりだというのに、現地で出会ったレオ(木下暖日)から連絡が来るや否や、ふたたび台湾へと舞い戻る。現地で合流はできたものの、レオの妹にからかわれたり、まさかのスマホ盗難事件に巻き込まれたりと、トラブルは容赦ない。スマホをなくすというのは海外旅行で最も冷や汗をかく瞬間のひとつだろう。言葉も通じない場所で、地図も連絡手段も失ったときの絶望感は計り知れない。そんな状況でも、最終的にはレオと協力して妹を探し出し、海岸で再会を果たす。その夜に屋台で陽菜がつぶやいた「心残りがあるからこそ、また台湾に来る理由ができるのかなって」は、旅をする誰もが一度は感じる名残惜しさを見事に言葉にしていた。すべてが完璧にうまくいった旅よりも、ちょっとした失敗や未練があるほうが、あとになって思い出として強く残るものだ。

一方、和真(西塚郁哉)と柚希(田野優花)は、チェンマイで“伝説のトレーナー”と出会うというミラクルに遭遇。そのままローカルフードのカオソーイを囲み、観光地を巡り、しまいには自宅にまで招かれる。生活の中に自然と入り込むようなこの展開は、実際の旅でも起こり得る。ガイドブックには載っていない誰かの暮らしに触れられる時間こそが、旅の醍醐味だったりする。現地の仕事を手伝えばトレーニングを教えてくれるという、まさかの“住み込み修行モード”に突入する流れも含め、彼らの物語はまさに“地に足のついた旅”だ。

凛は、相変わらず恋人との不和を抱えたままマレーシアへ。コタキナバルのモスクでウェディングフォトを撮る予定だったが、思うようにいかない。そんな中で、旅先でまさかの再会を果たしたのが配信者・悠太郎。その後、凛は現地のカメラマンからデートに誘われ、なんとプロポーズされてしまうという急展開まで巻き起こる。恋と旅はどこか似ていて、非日常が感情をふくらませてしまう。だが最終的に凛は、自分を一番に思ってくれていたのはやはり恋人だったと気づく。彼が準備していた凛に似合うドレスというサプライズによって、2人は関係を取り戻し、美しい景色の中でようやく念願の一枚を撮ることができた。「どんな景色を見るか」よりも、「誰とどんな時間を過ごしたか」が、旅の記憶を豊かにすることを教えてくれるエピソードだ。






















