『鬼滅の刃』冨岡義勇は柱上位の実力? 「無限城編」で大活躍した“守る力”最強の剣士

『鬼滅の刃』冨岡義勇は“守る力”最強の剣士

 とくに「無限城編」で注目すべきは、猗窩座が放った「破壊殺・乱式」を完璧にさばいてみせたこと。これは両腕で高速の連打を繰り出す技で、かつて炎柱・煉獄杏寿郎に大きなダメージを負わせていた。しかし義勇は「拾壱ノ型 凪」によって連打を無傷で潜り抜けている。

 少なくとも防御力に関して言えば、義勇は「柱」でも上位に位置づけられるのではないだろうか。長時間致命傷を受けることなく猗窩座とやり合い続けられる「柱」は、決して多くないはずだ。最終的に勝負が決したのも、日輪刀を折られたことがきっかけであり、それだけ剣技による防御が鉄壁だったものと思われる。

 なお義勇が防御力に秀でているという設定は、おそらくその境遇や精神性と深く関わっている。というのも彼の人生にとって人を守ること、人に守られることは大きな意味を持つからだ。

 幼少期、義勇は姉の蔦子と2人で暮らしていたが、ある日鬼の襲撃を受けてしまう。その際に蔦子は祝言を挙げる前日だったにもかかわらず、自身の命と引き換えに義勇を鬼から隠して守ったという。

 また最終選別の際には、宍色の髪をした少年・錆兎と出会い、何度も助けられることに。そして錆兎は山にいたほとんどの鬼を1人で倒したが、最終的には命を落としている。さらに義勇自身は忘れていたものの、錆兎からは「姉が命をかけて繋いでくれた命」をさらなる未来に繋いでいくように叱咤されていた。

 そんな過去を踏まえて振り返ると、義勇がさまざまな場面で人を守るために動いていることが分かるだろう。たとえば物語の序盤、鬼として始末されるところだった禰󠄀豆子をかばったのは、ほかでもない義勇だった。

 またアニメではカットされているものの、原作の猗窩座戦では「もう二度と目の前で家族や仲間を死なせない」「炭治郎は俺が守る」という決意を胸にして、自分の命と引き換えにしてでも炭治郎を守ろうとする場面が。そしてその姿こそが、猗窩座の心を揺さぶるきっかけとなっていた。

 「人を守る」という強い決意から生まれた、誰よりも防御力に秀でた剣士。『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』を視聴する際には、義勇の日輪刀に込められた想いに想像力を巡らせてみてほしい。

■公開情報
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』
全国公開中
キャスト:花江夏樹(竈門炭治郎役)、鬼頭明里(竈門禰󠄀豆子役)、下野紘(我妻善逸役)、松岡禎丞(嘴平伊之助役)、上田麗奈(栗花落カナヲ役)、岡本信彦(不死川玄弥役)、櫻井孝宏(冨岡義勇役)、小西克幸(宇髄天元役)、河西健吾(時透無一郎役)、早見沙織(胡蝶しのぶ役)、花澤香菜(甘露寺蜜璃役)、鈴村健一(伊黒小芭内役)、関智一(不死川実弥役)、杉田智和(悲鳴嶼行冥役)、石田彰(猗窩座役)
原作:吾峠呼世晴(集英社ジャンプ コミックス刊)
監督:外崎春雄
キャラクターデザイン・総作画監督:松島晃
脚本制作:ufotable
サブキャラクターデザイン:佐藤美幸、梶山庸子、菊池美花
プロップデザイン:小山将治
美術監督:矢中勝、樺澤侑里
美術監修:衛藤功二
撮影監督:寺尾優一
3D監督:西脇一樹
色彩設計:大前祐子
編集:神野学
音楽:梶浦由記、椎名豪
主題歌:Aimer「太陽が昇らない世界」(SACRA MUSIC / Sony Music Labels Inc.)・LiSA「残酷な夜に輝け」 (SACRA MUSIC / Sony Music Labels Inc.)
総監督:近藤光
アニメーション制作:ufotable
配給:東宝・アニプレックス
©︎吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
IMAX® is a registered trademark of IMAX Corporation.
公式サイト:https://kimetsu.com/anime/mugenjyohen_movie/
公式X(旧Twitter):@kimetsu_off

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