『あんぱん』“東京編”での再会に期待! 高橋文哉、松嶋菜々子ら記憶に残る名キャラたち

辛島健太郎(高橋文哉)

 嵩の“親友ポジション”として登場した健太郎(高橋文哉)。美術学校時代からの付き合いで、芸術に向き合う姿勢もどこか補い合う関係性だった。演じる高橋文哉の柔らかさと底抜けの明るさがキャラクターによくマッチしていて、陰のある嵩との対比がいいバランスを生んでいた。

 戦後はのぶの妹・メイコ(原菜乃華)と話している姿も描かれたが、ある時を境にぱったりと姿を消してしまう。劇中でも「東京に行ったらしい」とだけ説明されていて、それっきり。あまりにも自然なフェードアウトだったため、「再登場のための伏線だったのでは?」とSNSでは早くから注目されていた。

 東京での生活が始まった今、嵩が再び健太郎と再会する展開があっても不思議ではない。むしろ、都会で孤独になりがちな嵩にとっては、地元の友人の存在こそが精神的な支えになるはず。できれば今度は、嵩の漫画づくりに一役買ってくれる“共同制作者”のようなポジションで登場してくれたら嬉しい。あと、メイコとの関係も放置されたままなので、ここはひとつ、恋愛パートも進展させてほしいところだ。

小川うさ子(志田彩良)

 のぶの幼なじみにして、女子師範学校時代の親友だったうさ子。序盤では一緒に勉強し、助け合っていた仲だったが、次第に国家主義的な価値観に染まり、のぶとは正反対の道を歩むことに。厳しい黒井先生の影響を強く受け、「お国のために」と真剣に語る姿は、時代の重たさを象徴するようでもあった。

 最後の登場シーンでは教育勅語を暗唱するなど、のぶとの間に完全な思想的決別があった。以降、物語に登場することはなく、現在どうしているのかは不明。だからこそ、価値観が大きく変わった戦後の今、彼女がどんな生活を送り、何を思っているのかが気になる。

 のぶが新聞記者として過去の日本と向き合う仕事をしている以上、うさ子との再会は単なる友情の再生ではなく、“過去と向き合うこと”そのものを象徴する再会になる可能性がある。再登場する際には、かつて信じたものとどう距離を取るのか、どんな風に変わっているのか。志田の芯のある演技で、また違った“強さ”を見せてくれることに期待したい。

 今回挙げた4人に限らずではあるが、また再会することはできるだろうか。そんな願いを込めながら、東京で始まった新たな物語の先を見届けていきたい。

参照
https://realsound.jp/movie/2025/04/post-2003000.html

■放送情報
2025年度前期 NHK連続テレビ小説『あんぱん』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00〜8:15放送/毎週月曜〜金曜12:45〜13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜8:15〜9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:今田美桜、北村匠海、江口のりこ、河合優実、原菜乃華、高橋文哉、眞栄田郷敦、大森元貴、戸田菜穂、戸田恵子、浅田美代子、吉田鋼太郎、妻夫木聡、阿部サダヲ、松嶋菜々子ほか
音楽:井筒昭雄
主題歌:RADWIMPS「賜物」
語り:林田理沙アナウンサー
制作統括:倉崎憲
プロデューサー:中村周祐、舩田遼介、川口俊介
演出:柳川強、橋爪紳一朗、野口雄大、佐原裕貴、尾崎達哉
写真提供=NHK

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