妻夫木聡、沖縄・コザ暴動の中で怒りの叫び「なんくるないで済むかぁ!」 『宝島』本予告

『宝島』本予告編で妻夫木聡が怒りの叫び

 9月19日に公開される妻夫木聡主演映画『宝島』の本予告編が公開された。

 本作は、戦後沖縄を舞台に、史実に記されない真実を描いた真藤順丈の同名小説が原作のサスペンス。第160回直木賞をはじめ、第9回山田風太郎賞、第5回沖縄書店大賞を受賞した原作を、監督に『るろうに剣心』シリーズの大友啓史を迎え、東映とソニー・ピクチャーズによる共同配給のもと、構想6年、総製作費25億、ロケ地43箇所、エキストラ延べ5,000人という規模で実写映画化。主演の妻夫木をはじめ、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太らが共演に名を連ねる。

 舞台は、アメリカに全てを支配されていた戦後の沖縄。米軍基地から物資を奪い、困窮する住民らに分け与える“戦果アギヤー”となり、自由に生きることを模索していた若者たちがいた。グスク(妻夫木聡)、ヤマコ(広瀬すず)、レイ(窪田正孝)、そしてみんなの英雄的存在であるリーダーのオン(永山瑛太)らは、いつか「でっかい戦果」を上げることを夢見ていたが、ある襲撃の夜にオンは忽然と姿を消してしまう。

妻夫木聡主演映画『宝島』本予告編

 本予告編の冒頭には、1952年、沖縄がアメリカだった時代に、米軍基地から奪った物資を住民らに分け与える“戦果アギヤー”と呼ばれた若者たちの勇ましい姿が映し出される。いつか「でっかい戦果」を上げることを夢見るリーダーのオンは、彼らにとっての“誇り”だった。そのコザの英雄オンが失踪して20年……かつてオンとともに自由を追い求めた幼なじみの3人、グスクは刑事に、ヤマコは教師に、レイはヤクザとなり、それぞれの道を歩み出す。激動の時代、過酷な運命に立ち向かう彼らの正義と覚悟が交錯した先には、レイに銃口を向けられるグスクの姿が。さらに映像のラストには、大迫力のコザ暴動のシーンが映し出される。圧倒的な臨場感と緊迫感が漂うなか、「なんくるないで済むかぁ! なんくるならんどぉ!!」と振り絞るグスクの叫びが描かれている。

 完成した映画を観た妻夫木は、「圧倒されて、立ち上がれなかった。鼓動みたいなものが、ドクンドクンと動き出すのが聞こえた気がした。俺たちはここにいるんだ、生きてるんだという魂の叫び。人の生きる力をまじまじと感じさせられた」と語り、大友監督は「世界には、声にならない声が溢れている。その声を届けたい、心の奥底にある叫びと想いを表現したいと思った」と本作に込めた想いを語った。

 その想いを直接会って届けるべく、妻夫木と大友監督は今回宣伝の中で全国キャラバンを敢行。物語の舞台である沖縄を皮切りに全国を飛び回りながら、2人が訪れたエリアは10都市に達した。妻夫木は各地で観客からの声を直接受け取りながら、「映画に共感・共鳴してくれて皆さんが家族になっていく感覚。映画はすでに完成しているけれど、皆さんに観ていただくことで何かが変わって、今もなお映画が成長している気がする。今一度、人の力を、映画の力を信じたいと思った」と語った。

■公開情報
『宝島』
9月19日(金)全国公開
出演:妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太、塚本晋也、中村蒼、瀧内公美、栄莉弥、尚玄、ピエール瀧、木幡竜、奥野瑛太、村田秀亮、デリック・ドーバー
監督:大友啓史
原作:真藤順丈『宝島』(講談社文庫)
配給:東映/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
©真藤順丈/講談社 ©2025「宝島」製作委員会
公式サイト:https://www.takarajima-movie.jp
公式X(旧Twitter):https://x.com/takarajimamovie

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